Wreckless Eric/Wreckless Eric | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Rickenbackerといえば、個人的にはもうPaul Wellerの兄貴一択である。Rickenbacker 330を弾きながら歌う兄貴のカッコイイこと。Rickenbacker 360/12を弾いてるGeorge HarrisonRoger McGuinnも激カッコイイっすな。といったところで、似合っているかどうかは各個人の判断に任せるとして、満面の笑みを浮かべてRickenbackerを抱えたジャケットがやけに印象的なWreckless EricStiffからのデビュー・アルバム。ご機嫌っすなあ、この笑顔。EricはStiff RecordsのSampler AlbumA Bunch of Stiff Records』の“ Whole Wide World”で初めて世にその存在をAppealしたが、この曲はNick LoweがProduceして演奏も担当していた。76年に設立されたStiffはご存知のようにその年にNick LoweとPink FairiesThe Damned7"SingleをリリースしているがPunkの嵐が吹き荒れていく当時の英国を代表するLabelであると共に、Pub Rockな連中、Pub RockからPunkishな方向性へ進んでいく奴らを抱えていたが、いずれも一癖も二癖もあるような個性的なMusicianが所属していた。Stiffからリリースされた本作も、EricのHelium Voiceというか、子供が歌っているようなチョイとクセのあるVocal(実際の録音よりSpeedを上げたため半音上がっている)に好き嫌いがあるかもしれないが、Punk以降を感じさせるScratchyなギター場末のPubを想像させるKilburn And The High-RoadsIan Dury And The BlockheadsDavey Payneの下世話なSaxRonnie Lane & Slim ChanceCharlie HartのVoxやFarfisaのCheapなOrganがイイ味を出している。East Sussex生まれでHullのArt Schoolに通っていたEricのSimpleなR&Rを基調にしつつも拗ねたSongwritingも面白い。ProduceThe Pink FairiesMotörheadのギタリストLarry Wallis。他にはドラムスにはEire Apparent~Ellis~T. RexのDavid Lutton、ベースにBarry Payneという布陣である。

 

 『Wreckless Eric』はWreckless Eric78年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目は“Reconnez Cherie”。Ronnie Lane & Slim ChanceのCharlie HartのCheapなVoxのOrganAccordionピアノ、Kilburn And The High-Roads~Ian Dury And The BlockheadsのDavey PayneのSaxもご機嫌なナンバー。

これまた勢いにのった弾けまくる“Rags + Tatters”。咳き込みながら歌うEricを盛り立てるDaveyのSaxも最高。

一転してPsychedelicな趣きも感じられる“Waxworks”。タイトル含めて、なんともStarangeな雰囲気が良い。

ドラムスのLutton繋がりなのか、なんと T. RexのSteve Currieがぶっといベースを弾いている“Telephoning Home”。Charlie HartのFarfisa OrganJohn GlynのSaxもイイ味を出している。

硬質なカッティングが気持ち良い“Grown Ups”はBarry PayneのベースとDaveyのSaxもガンガン前面に出ている大好きなナンバー。

Nick LoweProduceしてベースとギターも弾いた“Whole Wide World”。ドラムスはGraham ParkerのThe Rumourで叩いていたSteve Goulding。マッタリしつつも英国の中の亜米利加な風情が実に味わい深い。

Kilburn And The High-Roadsの“Rough Kids”のCoverもSaxがブリブリかましてご機嫌である。

しょぼくれたVocalで始まる情けないBalladPersonal Hygene”。LillettesなるChorus隊とSaxをバックにCheapでモノ哀しいところが最高。

Spanishな異国情緒漂うBrain Thieves”もEricの変態ぶりが顔を出す。

アルバム最後をシメるのはProducerのLarry WallisがWildなギターを弾くPunkishな“There Isn't Anything Else”。

(Hit-C Fiore