◎Rivers/Colosseum II
英国が世界に誇る名Drummer Jon Hisemanも一昨年惜しくもこの世を去ってしまった。Hisemanといえば、Graham Bond OrganisationやGeorgie Fame and the Blue Flames、John Mayall & the Bluesbreakersといった名Groupを渡り歩き、South East Londonの幼馴染Tony Reeves、Dave Greensladeと結成したColosseum、そしてAllan HoldsworthやOllie Halsallを擁したTempest、そして個人的には何といっても愛妻 Barbara Thompsonも参加したUnited Jazz and Rock Ensembleでの活躍ぶりが印象的だ。しかし71年に解散したColosseumの名を継いだColosseum IIも忘れてはならないだろう。当時新進気鋭のギタリストGary MooreやHansonのベーシストNeil Murray、Ryszard Bakstに学んだという鍵盤奏者Don Aireyというメンツで76年にデビュー・アルバム『Strange New Flesh』をリリースしている。これは商業的な成功を収めることはできなかったが時代を考えると中々の力作に仕上がっている。当時のJeff Beckの路線を狙ったものだろうが、これはこれで面白いアルバムである。続く2ndアルバム『Electric Savage』では、イイ味出していたVocalのMike StarrsとベースのMurrayが抜け、ベースはJohn Moleが参加している。このアルバムではGary MooreがVocalを担当して哀感漂うBallad“Rivers”を歌い上げている。Aireyのエレピと共に、これが結構味わい深いのである。御大のドラミングは流石の一言だし、Moleのベースもイイ感じ。そしてGary Mooreの雄大なギター・ソロもハマっているのである。個人的にはGary Mooreと言えばこのアルバムだったりするのだ。
◎Electric Savage/Colosseum II
“Rivers”はColosseum IIが77年にMCAからリリースした2ndアルバム『Electric Savage』に収録されている。アルバム1発目のスリリングな“Put It This Way”はGaryの弾き倒しが圧巻だ。続く“All Skin & Bone”もCoolかつWildでご機嫌なJazz Rock。ひたすらAggressiveなInter Playの応酬が手に汗握る“Desperado”も激カッコイイ。Mellowで翳りを帯びた“2 AM I”。Exoticで緩急自在の“Intergalactic Strut”。残念ながら本作がリリースされた頃、時代はPunk、そしてNew Waveであったわけで、この手の路線は確かに商業的には厳しかったのかもしれないが、埋もれてしまうには、余りにも勿体ない力作である。特に、ここでのGary MooreのギターとJon Hinsmanのドラミング、Don Aireyの鍵盤さばきは一聴の価値ありである。
(Hit-C Fiore)