Vesi- Ja Lintumusiikkia/Sukellusvene | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

  SukellusveneFinland南東部の都市Lappeenranta70年代初頭に結成されたJazz Rock Groupである。LappeenrantaはFinland最大の湖Saimaa湖の南岸に位置し、博物館やCafe、木造教会などが立ち並んだ街並みの写真は平和そうであるが、かつて18世紀にはSwedenとRussiaの激戦地となったことで知られている。Sukellusveneは、そんなLappeenrantaで活動を続けて70年代後半Album1枚7", 45 RPM, Single1枚を残して消滅してしまったのであった。しかし、その残された唯一のアルバムが実に素晴らしいQualityを持った作品に仕上がっていて、単発/短命に終わってしまったのが信じられないような出来栄えなのである。潜水艦というバンド名を持つこの6人組は、77年にFinlandの音楽ContestであるRockin Suomen-mestaruudenで優勝してLove Recordsからアルバムをリリースすることになるのである。Finlandといえば、Eero KoivistoinenやHeikki Sarmanto、Jukka Linkola、Pekka Pohjola、Jukka Tolonenといった数々の優れたMusicianや、バンドで最初に思い浮かぶWigwamやTasavallan Presidentti、Finnforestといった素晴らしいJazz Rock Bnadを生んできたけれど、Sukellusveneの場合は北欧らしい透明感抒情性哀感に加えてJazzFunkを彼らなりの個性的で多様性のある音楽性に巧みに融合させて独特の音世界を生みだしている。後にArranger/Producerとして活躍する鍵盤奏者Kari Litmanen、ギターとPercussionのTapani Tuomanen、ギターとVibraphoneのJukka Mäkinen、SaxとClarinetのLassi Talasmo、ベースのPekka Muhli、ドラムスのTimo Kotinevaという6人組。Weather ReportやMahavishnu Orchestra、Return To Foeverらの影響も感じさせつつ北欧らしい音世界が繰り広げられていく。

 

 

 『Vesi- Ja Lintumusiikkia』はSukellusvene79年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目“Hiilijuna”はチョイOrientalな香りも感じさせる旋律を紡ぎ出すKari Litmanenのピアノで始まる。このまま最後までいくと思いきや、JazzyなSaxSpacyなSynthesizer鋭いカッティングで迫るギターが躍動するリズム隊にのって鮮やかなプレイを披露していく。うねりまくるベースSharpなドラミングが最高。

哀感漂う“Metsän Takaa Nousee...”。ベース・ソロも登場し、唸りを上げるEmotionalなギター・ソロも盛り上げまくる。思わずまってましたの泣きの入ったツイン・ギターのソロにニンマリ。

Ilmojen Halki”は北欧らしい透明感のあるイントロからFunkyなJazz Rockに展開する。爽やかに弾き倒すギター・ソロCosmicなSynthesizerJazzyなピアノ・ソロもご機嫌だがとにかく心地良くウネリまくりベースが素晴らしい。ぶっとくFunkyにキメたかと思えばCoolにフォービートRunningするベースに耳を奪われてしまう。

Music Maze”はOrganWah Guitarによるイントロが激カッコイイ。刻々と変化し緩急自在に躍動するリズム隊にのってOrganソロも最高。これは盛り上がりますなあ。

Moon Funk”はタイトル通りFunkyにスリリングに躍動するリズム隊が圧巻。次々と繰り出されるキメが激カッコイイがSpacyなSynthezierをバックにしたベース・ソロが登場するところもMysteriousでイイ感じ。

アルバム最後をシメるのは“Tosikertomuksia”。Soprano Sax北欧らしい爽やかで涼し気な空気を運び、Synthesizerがジャケットのような幻想的で摩訶不思議な世界が次々と展開されていく。

(Hit-C Fiore)