Sweet Forgiveness/Bonnie Raitt | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Bonnie Raittは以前も書いたように、好きなアルバムが多すぎて困ってしまうMusicianの一人なのだが、意外なことに本作が一番良く聴いているアルバムである。ジャケットも気に入っている。CaliforniaBurbank生まれのBonnieはBroadwayで活躍したMusicalの人気者John Raittとピアニストの母親の間に生まれた。子供の頃からギターを弾きはじめCambridgeのRadcliffe Collegeに入学後にBoston周辺のBlues Clubで演奏するようになる。Mississippi Fred McDowellらBluesのMusicianとの交流はこの頃に培われた。71年にリリースされたデビュー・アルバム『Bonnie Raitt』はChicago BluesHarmonica奏者Junior Wellsが参加し、Robert JohnsonTommy Johnson、Jump BluesのBuddy JohnsonのCoverに加えて“Mighty Tight Woman”と“Women Be Wise”というBlues SingerのSippie Wallaceの2曲も取り上げるBlues愛に満ちた力作であった。本作はBonnieの6作目のアルバムで、75年リリースの前作『Home Plate』に続いてProduceをThe Paul Butterfield Blues BandやTim Buckley、The Doorsで知られるPaul A. Rothchildが担当。Little Featから『Takin' My Time』や前作に参加した鍵盤奏者のBill PayneとギターのFred Tackettに加えてPercussion奏者のSam Claytonも1曲のみだが参戦、Bonnie姐さんもLowell Georgeばりの豪快なSlide Guitarを弾いてLittle Feat色が強まっている。3rdアルバム『Takin' My Time』もLowellとPaul BarrereらFeat勢が参加していた素晴らしいアルバムだったが、姐御のSlideがガッツリ弾き倒しの本作も負けていない。Michael McDonaldRosemary ButlerのChorus隊を従えて心なしか力強さが加わった歌いっぷりも良し。勿論デビュー作からの良き相棒Freeboもベースにギターといつも通り燻し銀の仕事をしている。

 

 『Sweet Forgiveness』はBonnie Raitt77年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目は“About To Make Me Leave Home”。FunkyなギターのRiffがご機嫌なイントロからBonnieのVocalが登場するところが鳥肌モノ。パンチのきいたVocalタメのきいたリズム隊が気持ち良すぎ。勿論、姐さんのSlide気怠げなChorusも最高。

なんとDel Shannonの“Runaway”のCover粘っこいリズム隊に姐御のSoulfulなVocalFunky Blues Rock仕立て。これは中々キマってますな。Michael McDonaldのChorusもイイ味出してますな。

鍵盤奏者のMark Jordan作の“Two Lives”。これは泣きの入ったグッとうるBallad。ここでもMcDonaldとRosemary ButlerChorusが素晴らしい効果を上げている。

Singer-SongwriterPaul Siebel作の“Louise”。Siebelの70年の1stアルバム『Woodsmoke And Oranges』に収録されていたこの曲を弾き語りでBonnieが情感込めて歌っている

Eric Kaz作の“Gamblin' Man”はChousを従えて生命感に満ちたBonnieの気合の入ったVocalは大地に根を張ったような信念が感じられる。

タイトル曲“Sweet Forgiveness”はDaniel Moore作。Sam Claytonも参加してもろLittle Featな出だしからChorusが印象的なMellowなサビへ展開するのが最高。

Jackson Browneのデビュー・アルバムの最後を飾った名曲Opening Farewell”はやっぱりグッとこみあげるモノがありますな。姐御の気持ちの入ったEmotionalなVocalも最高っす。

Don Covayの“Three Time Loser”はSlideやピアノが躍動するBoogie Shuffle

Bill Payne作の“Takin' My Time”。これまた力強いBonnieのVocalとMuscle Shoals Rhythm SectionのWill McFarlaneが弾く爽快感に満ちたSlideが最高。

アルバム最後を飾るのはKarla Bonoff作の“Home”。David GrismanMandocelloがイイ味を出している。

About To Make Me Leave Home/Bonnie Raitt

(Hit-C Fiore)