MosaikはギタリストのGeorg Kordt、Sax/Flute奏者のManfred Rönspeck、ドラムスのWolfgang Stange、ベース奏者Heinz Jopen、鍵盤奏者のKlaus Müßelerの5名から成るドイツはMönchengladbach出身のJazz Rock Bandである。まあ、このバンドも残念なことにアルバム1枚を残して消滅してしまったのだが、例によって楽曲、演奏技術、Ensemble、ArrangementsいずれもQualityの高いものをもっており、当時この手のJazz Rock Bandが乱立した中でも英米のバンドと比較して全く劣ることのない作品に仕上がっている。あとは欧州、またはドイツならではの個性があれば、それなりの評価を十分に得ることが可能なJazz Rockの名作になっていたことだろう。惜しむらくは、この時期の欧州はItalyやSpain、France、北欧勢、東欧勢に超絶技巧で個性も際立ったバンドが数多く登場していた時期であったことだ。ドイツも例外ではない。それらの名作の中に本盤も埋もれてしまったに違いない。Canterburyの香りも漂う楽曲やEnsembleは非常に魅力的であり、優れたSoloistでもあるギタリスト、Alto Sax奏者、鍵盤奏者をはじめメンバー全員が高い演奏技術を有している一方、強烈な個性という点では確かに弱かったのかもしれない。さらに残念なことにバンド消滅後の各メンバーの消息も不明である。これだけのテクニックを持ったMusician達であるわけで、それも同時期の凡百のFusion Bandとは一線を画す攻めに徹し一筋縄ではいかない展開で楽しませてくれているだけに残念でならない。もしかしたらひっそりと音楽活動を続けているメンバーもいるかも。
『Mosaik N° 1』はMosaikが77年にリリースした唯一のアルバムである。
アルバム1曲目“Future”は心地良くも12拍子と4拍子が交錯する緩急自在のBeatを提供するWolfgang StangeのShrapなドラミング、Heinz Jopenの重心の低いベース、Klaus Müßelerの軽やかなエレピにのってManfred RönspeckのAlto SaxとGeorg Kordtのギターが快調にソロを展開する。MüßelerのSynthesizerソロも実に素晴らしい。
躍動する5拍子が心地良い“Brandung”。Georg Kordtのギター・ソロも速弾きをまじえながらスリリングに迫ってくる。
JazzyなエレピのRiffで始まる“Krokus Deal”。ゴリゴリとしたベースがBottomを支えるが都会的な洗練された雰囲気が漂う出だしである。しかし一転して疾走感に満ちた展開になると、ギターが切れ味鋭く鬼の弾き倒し。Tempoを落としたかと思えば元に戻り、スリリングなキメをまじえつつWolfgangのドラミングも軽くはあるが手数多く暴走していくがごとくスピード感に満ち溢れた盛り上がりが良い。
“Death Of A Bird”もキメが激カッコイイ7拍子のナンバー。ここでも動から静への展開がお見事。
これまた見事なリズム・チェンジが展開される“California”はMajor Seventhの甘美な響きがイイ感じのナンバー。ゆったりした出だしからスピード感に満ちた展開が良い。
激カッコイイBreak Beatsの“Grippe Trip”。Head HuntersのようなFunkyなJazz Rockで、エレピの響きとAlto sxソロが良い。
Lyricalなエレピが心地良く響く“Rainy Day”。
“Seewind”はどこかWeather Report風の無国籍感が漂うのが面白い。
アルバム最後をシメるのはTensionの高さが最後までスリリングに白熱する“Abfahrt”。
(Hit-C Fiore)
