アルバム・ジャケットが最高。70年代後半にしてこの時代遅れ満点のアナクロなジャケットに心惹かれてしまった。しかも、良く見ると革ジャンは着古したものではなく買ったばっかの即席Bad Boyデビュー感が何とも素晴らしい。せっかくのHarley-Davidsonも乗りつぶした感じではなく、この辺のツメの甘さも、まあ大目に見よう。というのは、これが最高のRaw-Edged Biker Rockなのである。Illinoisからやって来たむさ苦しい野郎どもThe Boyzz。WildにBiker Boogieをぶちかまし、出たとこ勝負の勢い任せのお馬鹿なAmerican Rockと思いきや、実は楽曲もアレンジも結構作り込んであったりする。なるほどProduceは、あのHowardとRonのThe Albert Brothersである。Vocalistの"Dirty" Dan Buck率いるThe Boyzzは鍵盤奏者のAnatole Halinkovich、ギターのMike Tafoya、Gil Pini、ベースのDavid Angel、ドラムスのKent Cooperから成る荒くれ野郎6人組。数曲だが、Tenor Sax、Baritone SaxやTrombone、Trumpetから成るBras隊がFeatureされていたり、Chorusが結構面白かったり、HammondやSynthesizerなど鍵盤の使い方も効果的で、おバカ装って何気にかなりの実力派だったりするのであろうか。実は70年代後半のAmerican Hard Rockは中々掘り出いものが多かったりするのである。ま、西海岸から登場したVan Halenが商業的には一人勝ちしてしまうわけだが、本作ののように聴きこんでみると結構楽しめる作品が埋もれているのである。結局、このデビュー・アルバム1枚で消えてしまったのだろうか。実に惜しいバンドである。そして大好きなアルバムである。
『Too Wild To Tame』はThe Boyzzが78年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目はHardなギターRiffにBrass隊が炸裂するアルバム・タイトル曲“Too Wild To Tame”。喉も裂けんばかりに熱激しくShoutするしわがれVocalや荒ぶるギター・ソロも無茶弾きがカッコよろし。
これまたギターRiffがご機嫌な“Hoochie Koochie”も揺れのあるBeatや野郎Chorusが最高。
爽快にぶっ飛ばす“Wake It Up, Shake It Up”もBrass隊に野郎Chorusが盛り上げまくり。
鍵盤入りのPopなRock And Roll“Shady Lady”。Talk Box使いのギターも最高。
歪みまくったギターのRiffが激しく煽る“Back To Kansas”。これもイナタいChorusが効果的。
イントロの低音で蠢くブリブリのベースがカッコイイ“Destined To Die”。Synthesizerソロにギター・ソロが盛り上げる。Hammondとかツインリードとか結構作りこまれて芸が細かいのも面白い。
“Lean 'N' Mean”はThe Rolling Stonesの“Sympathy for the Devil”風のChorusがFeatureされたノリノリのナンバー。
“Dianne Part II”は腰を落としたRock And Roll。これまたFaces風の横揺れBeatが気持ち良い。Dirty Dan Buckの吹くHarmonicaもイイ感じ。
アルバム最後をシメるのはProducerのHoward とRonのAlbert兄弟作の“Good Life Shuffle”。Old TimeなChorusが入ったナンバーで懐の深さを感じさせる。
◎Destined To Die/The Boyzz
(Hit-C Fiore)