Proud Words On A Dusty Shelf/Ken Hensley | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Ken HensleyはギタリストのMick Boxと並んで言わずと知れたUriah Heepの中心人物だったMusician。鍵盤とギターを弾くMulti-instrumentalistでありSongwriterとしても彼らの数々のヒット曲を手掛け、Lead Vocalを担当する曲もあった。そんなHensleyの1stソロ・アルバムとなるのが本作である。ベースのGary ThainといドラムスのLee KerslakeというHeepのRgythm Sectionを従え、Heep在籍中に制作されたのは如何なる理由によるものであったろう。ジャケットやアルバム・タイトルからもHeepっぽさを感じ取れてしまうが、本作が制作された時期はHeepが黄金期と言われるBritish Hard Rockの人気バンドとして君臨していた71年から72年の11月にかけての時期であったのは興味深い。71年の『Look At Yourself』、72年の『Demons and Wizards』、『The Magician's Birthday』といった傑作がHeepから生まれていった頃だ。それは徐々にPrigressiveで大作志向にHeepが向かっていった時期であった。本作ではHeepを思わせる楽曲もあるにはあるが、大作ではないSimpleでBluesyな楽曲が中心となっている。それは時にHensleyの持つPopな歌心を感じさせる楽曲もあったりして、個人的にはそこにBluesyな香りが塗してあったりするとツボなのであった。また、HeepのVocalistであるDavid Byronと似ているようで実は一味違ったHensleyのVocalも中々味があってイイ感じだ。決して上手いとは言えないVocalではあるが、BluesCountryからの影響も感じ取れるもので、とはいってもやっぱり英国独特の雰囲気を持っているところが良い。

 

 『Proud Words On A Dusty Shelf』はKen Hensley73年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目“When Evening Comes”は粘っこいギターがいかにもなUriah HeepらしいMinor KeyのBluesyなRock

アコギをジャンジャカな“From Time To Time”はHensleyの抒情的なVocalと曲作りが生かされたナンバー。

いかにも英国調の雰囲気を持ったPianoを基調としたPopなRock“King Without A Throne”はHensleyの持つもう一つの側面が出た楽曲で、Heepの72年のアルバム『The Magician's Birthday』に収録されていたしっとりしたPiano Balladの“Rain”の再演もHensleyの英国人らしい抒情性が発揮されたナンバー。

Proud Words”は豪快なSlide Guitarと爽やかなChorusが気持ち良い。この辺のBritish Popな感じは個人的に大好きだ。

Fortune”もHeepっぽい抒情的な泣きのギターがたまらない演歌入ったBallad

Black-Hearted Lady”はHensleyのPopな歌心Bluesyな感覚が見事に噛み合わさったお気に入りの曲。

Go Down”はCountry Rockな香りも漂うErarthyなナンバー。とはいえ、捻りのあるPartも登場するところがたまらなくBritish。HensleyのVocalも中々堂に入ったもの。

Cold Autumn Sunday”も米国音楽への志向が感じられる楽曲。

アルバム最後を飾るのは“The Last Time”。これまたHensley自ら弾く、結構上手いPedal Steel Guitarがイイ感じのContry Rockな雰囲気に満ちたナンバー。

Rain/Ken Hensley

(Hit-C Fiore)