We All Together/We All Together | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 やっぱり、こういう音楽にドップリ浸りたい時はあるものだ。PerúThe Beatlesと言われているWe All Together。ジャケットも大好き。全曲英語で通しているところも彼らの拘りが感じられる。○○○のThe Beatlesというのは、ありがちではあるが、彼らの場合はPaul McCartney & WingsBad FingerのCoverまで披露しているところも微笑ましい。VocalがStackridge~The KorgisのJames Warrenにそっくりなところもポイントが高い。南米モノを掘っていくと突然こういう音盤に出会うから面白い。10ccStackridgePilotXTCといった英国から登場したThe Beatlesの遺伝子を受け継いだバンドが元々大好きであった。彼らに共通するのは、そこに一捻り加えて独自の個性を打ち出していたところで、そこが魅力であった。けれど、We All Togetherのように直球で、これが好きなんだ!とそのまま純度100%で繰り出されると、これはこれで好きにならざるを得ない。例えばNeil InnesのThe Rutlesだったり、Todd RundgrenのUtopiaも相当にBeatlesの楽曲を研究して『Deface the Music』を出したりして、それらは文句なしに楽しめる高度なお遊びなんだけど、We All Togetherの楽曲作りも大したものだ。あえて捻りを加えることなく、真剣で純朴ななりきり度は、その素朴なVocalや演奏、サウンドと共に物凄い親近感を覚えるものなのだ。

 『We All Together』はWe All Together72年にリリースしたデビュー・アルバム。
Children (Niños)”
Slideが最高な Badfingerの“Young People (Gente Joven)”。この曲もVocalとChorusがKorgisっぽい。
アコギで始まる哀感漂うCarry On Till Tomorrow (Llévalo Hacia El Futuro)”も泣きのギターとChorusやStringsが甘いメロディーを、これでもかと盛り上げる。
It's A Sin To Go Away (Es Triste Alejarse)”。Hammondやギターの逆回転がPsychedelicな香りを漂わせる。
Paul McCartney & Wings“Tomorrow (Mañana) ”はPaul直系、Wingsな
Bluesyなギターで始まる、これはJohn Lennon直系の“Hey Revolution (Hey Revolución)”。途中で“Revolution”のフレーズを挟むところが微笑ましい。
NostalgicなPops“Walking In The Rain (Caminando En La Lluvia)”。
シンプルなピアノで始まる絶品のBalladWhy (Porque)”。泣けと言わんばかりの旋律とChorusがたまらない。
SlideFalsettoがイイ感じの、これまた泣きのメロディーが炸裂する“Some People Never Know (Algunas Personas Nunca Saben)”。
最後を飾るのは多幸感漂うThe City Will Be A Country (El Regreso Al Campo)”。Country風味のきかせ方もGood!
(Hit-C Fiore)