El Profeta/Armando Tirelli | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 Uruguayの鍵盤奏者Armando Tirelliは60年代後半から同国で活動していたSEXTETO ELECTRONICO MODERNOのメンバーで作曲Hammond担当であった。本作は、Tirelliの1stソロ・アルバムとなるが、Lebanon出身の詩人、画家、彫刻家であったKhalil Gibranが23年に英語で発表した作品『The Prophet』にInspireされて制作した作品だそうだ。60年代のCounter-CultureIconでもあったGibranは〝20世紀のWilliam Blake〟とも称された、普遍的で宇宙的に拡がっていく意識を作品に込めていた人物。宗教や哲学を根底にしながらも特定の宗教に束縛されないものであった。SEXTETO ELECTRONICO MODERNOでは軽めのJazzyでClassical、Bossa NovaやSalsaも取り入れつつどちらかといえばEasy Listning寄りの作品が多かったのだが、このソロ・アルバムでTirelliは一気に抒情的Symphonicなアプローチを多用して大作を仕上げた。とはいえFluteやGentleな男性Chorusをまじえながら南米らしい歌心に満ちた甘美な旋律がそこかしこで存在感を発揮する。切れ味の良い躍動感のあるリズム隊をバックにした起伏に富んだ展開はItaliaのPFMあたりの影響を感じさせるが、スペイン語のNarrationと、甘美なVocalが南米らしい独特の世界を描き出している。

 『El Profeta』はArmando Tirelli78年にリリースしたアルバム。
幻想的なKeyboradで幕を開けるアルバム1発目“Prólogo El Profeta”は語りも入る8分を越えるナンバー。引き締まったリズム隊G. ChainbunFluteが印象的。
続く“Candombe Samba”もG. ChainbunのFluteがFunkyなリズム隊にのって心地良く躍動する。甘く切ないChorusや優美なギターのArpeggioも素晴らしい。途中からSynthesizerがSymphonicな拡がりのある世界を描き出し、目の前に拡がってくるのは果てしない桃源郷への道。
官能的に歌いまくるRody Tróccoliのギターで始まる“Barco De Los Sueños”。歌モノではあるがバックでは聖歌隊のようなCorusが清々しく響いてくる。
Flute感傷的なフレーズで郷愁を誘う“Tema Central El Profeta”。
どこまでもGentleなVocalとSymphonicなバッキングに気品が漂う“El Momento De Partir”。
Classicalなピアノで始まり途中でフォービートも挟みつつ雄大に展開していくAmanever en Orphalese”。ここでも随所に泣きのメロディーが光る。
ピアノと低音で怪しくうねるSynthesizerの対比が面白い“Hablanos del Matrimonio”。再び語りが入る。
甘美なVocalとChorusが炸裂する泣きのナンバー“Háblanos Del Dar”。口笛も気分である。
リズム隊がカッコ良すぎるHáblanos Del Amor”。Synthesizerも
歌心のあるVocal幻想的なChrusが起伏のある曲展開の中で存在感を発揮する“Los Ecos De Almustafá”。
疾走するリズム隊がカッコイイ“Háblanos De Los Hijos”。Fuzzギターもイイ感じ。
アコピが弾き倒し、バックのリズム隊が跳ねまくるTocata Scarahuala”。Chorusとギターがこれでもかと迫ってくる。
最後を飾るのはうねりまくるベースキレの良いドラムスをバックにChorusとギターがこれでもかと迫ってくる“Tema Central El Profeta”。
(Hit-C Fiore)