
大好きなイタリアの女優Monica Vittiがロング・ヘアでこちらを見つめているジャケット。これは買わないわけにはいくまい。それにしても40代を迎えたMonicaの何と麗しく悩ましいこと。音楽を担当したのは南イタリアのCampobasso出身の歌手/作曲家Fred Bongusto。Laura Antonelli主演のお色気映画『Malizia(青い体験)』の音楽を担当したことでも知られている通り映画音楽を数多く手掛けている人だが、歌手としても60~70年代に活躍して、その筋では有名な人らしい。南米、特にBrazilでも結構な人気があったらしい。Toquinho、Vinicius de Moraesの名コンビとも作品を残している。イタリア人らしい甘く官能的なメロディーにしゃがれた声が中々渋い魅力を発揮している。いわゆるベタベタな大衆歌謡を歌うこともある反面、映画音楽では小洒落たセンスが発揮されたBossa調、Jazz調、Funk調のナンバーも得意としている中々懐の深い人だ。67年公開の『Il Tigre』や69年の『Un Detective(夜の刑事)』は、そんなBongustoの才能が発揮されたサントラ盤だ。しかし、個人的には本作がBongustoが手掛けた映画音楽では一番お気に入りかもしれない。それはジャケットのせいもあるかもしれないが。いつか、この映画を観てみたいものだ。
『Gli Ordini Sono Ordini』は72年に公開されたFranco Giraldi監督による同名映画のサントラ盤。音楽はFred Bongustoが担当している。
何とも切なく美しいメロディーの“Titoli”は途中で入る女性Scatも素晴らしい。
コミカルな演奏をバックにSaxophoneが“Funny People”
男女Scatのかけ合いが楽しい“Piatto Del Giorno”。
ElegantなStringsをバックにMajor Seventhの甘く切ない響きとRomanticなピアノが気分を高揚させてくれる“Un Facile Amore”。
MinimalなベースのRiffに絡むギターのカッティング、Fluteがカッコイイ“Le Tentazioni Di Giorgia”。
またまた泣きのメロディーが炸裂の“Sola E Tradita”。Stringsとアコギ、女性Scatが切なくも美しい。
男女Vocalのコミカルなかけ合いが楽しい“Slogans Roulette”。
短いながらも疾走感に溢れたカッコイイJazz Funkの“Up To Date”。
優美なStringsとまんまEdu Loboの“Reza”なメロディーを吹くFluteがイイ感じの“Punto E A Capo”。
Themeを口笛で吹く“Motivo Di Giorgia”。
今度はThemeをFluteやムーディーなSaxが奏でる“Giorgia”。
男女Duetで多幸感に満ちた“Yoy Lie”。これまた途中で挟まれる短いダヷダヴァダScatも絶品。
そして、またThemeの旋律が甘美に繰り返される“Piazza Del Santo”。
軽快な“Discorsi In Prospettiva”もFluteやアコギがイイ感じ。
“Quartetto D’archi”
典雅な“L’artista e io”
Fluteが大活躍の“L’artista E Io”。
短いながらOrgan、Trumpetとギターがイイ感じの“Tiro Al Bersaglio”
HardなギターとFluteの取り合わせが面白い“Arte Moderna”。
(Hit-C Fiore)