Rise And Shine/Kokomo | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


   本年もよろしくお願い致します。

 さて、この何ともお惚けなジャケットは英国のFunk Bandで70年代に活躍し、その筋では高い評価を得ているKokomoの2枚目のアルバム。大好きなGrease BandのギタリストNeil Hubbardとベース奏者Alan SpennerArrivalの鍵盤奏者Tony O'Malleyらと73年に結成した大所帯のバンド。ArrivalからはO'Malleyと3人のVocalist、Frank CollinsDyan BirchPaddie McHughの4名が参加している。そして元King CrimsonSax奏者Mel CollinsPercussion奏者Jody LinscottBrian Auger's Oblivion ExpressのギタリストJim MullenにドラムスのTerry Stannardを加えた総勢10名で75年にデビュー・アルバム『Kokomo』をリリースしている。よくAvarage White BandGonzalezAlvin LeeがExecutive-Producerを務めたF. B. I. (Funky Bands Inc.)あたりと比較されるKokomo。このアルバム・ジャケットからもわかるように彼らは洗練されたWhite Funkというよりは英国人らしい乾いたHumor米国南部へ憧れが基調となった泥くささがスパイスとなったFunkが中心で、Chorusが前面に出たPub Rock的な親しみやすさがあるところも個人的には気に入っている。Alvin LeeがAlvin Lee & Co.名義で74年にリリースしたLive Album『In Flight』にHubbardとSpenner、そしてKokomoとしてCollins、Birch、McHughの3人のSingerとMel Collinsが参加しており、これが正にKokomoの原点ともうべきPub Rock的な楽しさに満ちたアルバムになっている。ギターのMullenが脱退し、ドラムスが名手John Sussewellに交代した本作ではMellowで歌心溢れるFunkが実にイイ塩梅である。

 『Rise And Shine』はKokomo75年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目“Use Your Imagination”はベースのAlan Spenner作の激カッコイイFunkナンバー。タイトなリズム隊にのってStringsやChorus隊、そしてMel CollinsSaxがSpennerのSoulfulなVocalを盛り立てる。Neil Hubbardのド渋なギター・ソロ、Tony O'Malleyのエレピもイイ味出している。
男性VocalのFrank Collins作の“Little Girl”も魅惑のChorusにO'Malleyの揺らめくエレピ、Mel CollinsのTenorが炸裂する珠玉のMellow Funk。Hubbardの小技のきいたギターも最高。
Collins作のナンバーが続く。“That's Enough”はFalsettoもまじえたVocalがSoulfulなナンバー。
タイトル曲の“Rise And Shine”は引き締まったリズム隊にのってダミ声Tony O'MalleyのVocalとChorusのHumorousなかけ合いがFunkyなナンバー。
Dyan BirchがLead Vocalを担当する“Without Me”はBirch、O'Malley、Collinsの共作。これもSoulfulなVocalと、それを盛り立てるMellowなバックの演奏が流石。腕利きMusician達の痒い所に手が届く渋い演奏が英国流。
O'MalleyがVocalの“Do It Right”はDavid Bowieの“Fame”を思わせるBritish Funk
イントロのエレピとギター、ベースから期待が高まる“Angel Love”は妖しく、時にFunkyに囁くChorusが素晴らしい。
Paddie McHughGentleなVocalが心地良いバックの演奏と極上の気分を味あわせてくれる“Happy Birthday”。CollinsのFluteも最高。ギタリストのNeil Hubbard作。
最後を飾るのは、Tony O'Malley作の“Feelin' Good”。O'MalleyのClavinetやダミ声VocalにChorusやSaxが絡むFunkyなナンバー。
(Hit-C Fiore)