
John Lee Hooker人脈恐るべし。John LeeがCarl RadleやJim Gordon、Steve Miller、Jesse Ed Davisと組んでBill SzymczykがProduceした71年作『Endless Boogie』や、John Lee流Funk炸裂で結構お気に入りの74年作『Free Beer And Chicken』で、この人の名前を見つけたのだった。鍵盤、ベースもこなす器用な人物。本作は、そんなClifford Coulterのソロ・アルバムであるのだが、それにしてもBill WithersがProduceし、自らClavinetやアコギを弾いちゃったり、「完璧な音楽的才能」なんつって激賞してしまう、この人物は一体何者なんだろうか?70年にはデビュー・ソロ・アルバム『East Side San Jose』を発表、その後72年には『Do It Now, Worry 'Bout It Later』とImpulse!から2枚のアルバムを出している。Hammondが唸るJazz Funk調の曲が並ぶそれらのアルバムやJohn Lee御大のアルバムやツアーで存在感を発揮するなどBluesのフィールドで活躍したCoulterと、スーツを着こなして笑顔で写っているジャケットが印象的な本作とは中々結びつかない。ギタリストMel BrownやB.B. King、Sax奏者Sonny Fortune(『Waves Of Dreams』でのSynthesizerがイイ!)、そして何とSergio Mendes And The New Brasil '77あたりにまでかかわりを持っているCoulter。主に鍵盤を演奏するが、他にもベースやギター、時にはVibraphoneまで演奏してしまう。こうやってみると実にVersatileで才能豊かな人物である。加えてさらにである、本作で披露されているくVocalはFalsettoが絶品であり、Vocalistとしても実に魅力がある人物である。本盤に収録された楽曲は全て本人の手によるものであり、転調の妙やツボを押された魅力的なメロディーを書いているのを聴くと、Compserとしても才能に恵まれた人物であったことがよくわかる。
『The Better Part Of Me』はClifford Coulterが80年にClumbiaからリリースしたソロ・アルバム。
アルバムのオープニングは、魅力的なCoulterのFalsetto Vocalに、この時代らしいSlapビシバシ、ウッチータッチーのドラムスによるキレキレのリズム隊と暖かみのあるPolymoogの取り合わせが最高の“Don't Wanna See You Cry”。Bill Withersが弾くClavinetもイイ感じ。
エレピとCoulton Sintheizer、PolymoogをバックにCoultonがとろけそうなFalsettoで魅了する“Nothing In The World Is Free”。メロディー・ラインもChorusも、自身がMusic Manのベースを弾くリズム隊も最高。
高揚感に満ちた“Magic Carpet Ride”はKeni BurkeのベースとRuss Kunkelのドラムスもイイ感じ。今絶対このイナタいベースとドラムスのパターンをやる連中はいないかもしれないが、ウッチータッチーにドットコドットコが何年か前に自分の中でかなりブームだったっす。
これまたCoulterのやるせないVocalが泣きのメロディーに映える“The Better Part Of Me”。KunkellのビシッとツボにキマるドラムスとBottomで蠢くCoulterのベースが気持ち良すぎ、転調気持ち良すぎ、最高。
一転してFunky Discoの“Another Day”。これまた転調がイイ感じ。
Coulterが弾く12弦ギターによるイントロから始まるDiscoキラー“You And I Together”。
タメのきいたドラムスにぶっといSlapが炸裂するMideumナンバー“Love's Too Hot To Hide”。
最後をシメるのは泣きのBallad“Maybe It's Better To Go”。後半、Gospel風になるピアノとPolymoogのコンビネーションもバッチリだし、Coulter自身が演奏する VibraphoneとGlockenspielも効果的。本当に才能の塊のような人である。
(Hit-C Fiore)