
Sequencerの魔術師Peter Baumann。ドイツ人らしいMysteriousでチョイとDarkなメロディーをRhythmicalなSequencerを駆使してPopに聴かせる名人だ。来るべき80'sのElectronic-Pop Musicの先鞭となる本盤は、 彼が在籍していたTangerine Dreamとは異なり3分から長くても6分のコンパクトな楽曲が並ぶ。YMOやKraftwerk、Jean-Michel Jarreのようなtechno-popに影響を受けながらも、独特の詩情に満ちたメロディーを彼流のSophisticationでPopに料理していく。全体にCatchyな味付けは昔からのTangerine Dreamのファンから批判されそうだが、実はTDも同じようなCommercialな手法に接近していくのが興味深い。80年代を目前に、おそらくPeter Baumannは新たな道を模索してたのだろう。彼自身の徹底した美意識はジャケットも含めて、この作品くらいまではそれが独自のナルシスティックな路線とバランスがとれて楽しめるものとなっていた。
『Trans Harmonic Nights』はPeter Baumannが79年にリリースした2ndソロ・アルバム。ドラムスでRelease Music OrchestraのWolfgang Thierfeldtが参加している他、管楽器奏者Bernhard Jobskiも参加している。
アルバム1曲目はVocoderが切なく響く名曲“This Day”。fuzz of an electric guitar
ゆったりしたRhythmでマイナー調のメロディーをPopに聴かせる“White Bench And Black Beach”。
SynthesizerをPercussiveに鳴らす“Chasing The Dream”は、Sequencerが織り成すMagicに脱帽。ここでもBaumanは哀愁のメロディーをElectro Popな手法で展開している。
Waltzナンバー“Biking Up The Strand”。
素朴ながら胸に迫るメロディーを奏でる“Phaseday”。
ドイツの森を思わせる陰影のあるメロディーの“Meridian Moorland”。
Sequencerが心地良く響く“The Third Site”。
最後は鼓笛隊が登場し泣きのメロディーを盛り上げる“Dance At Dawn”。
(Hit-C Fiore)