Triangle/Triangle | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

$BLACK CHERRY
 お気に入りのMusicianが関連した作品を色々と探索する楽しみは個人的に今でもゾクゾクするものがある。でも、とんでもない多作家であったり、ジャンルお構いなしに膨大な他流試合の作品を残しているMusicianを追いかけるのは大変だ。フランスのTenor奏者にはお気に入りの音楽家が沢山いるのだが、中でもFrançois Jeanneauは大好きなSax奏者であり、Composerである。しかし、本人名義のリーダー作こそ多くはないものの、Jazzは勿論、Rockからクラシック、映画音楽までジャンル越境で数多くの作品を残しているので、それらすべてを追いかけるのは苦労する。Marielle et Katia LabèqueScott Joplinの作品に挑戦したRagtimeな香り漂う83年リリースの『Gradlags(邦題:愛のラグタイム)』なんてのまで集めたりしているわけである。ま、これは姉妹の姉と結婚していたJohn McLaughlinも関わっているという興味もあったりするのだが。さて、Jeanneauは出発点はHard Bopで、ModeからFreeまで自由自在の将来を嘱望されたJazz界期待のTenor奏者でありながら、Rockの世界にも足を突っ込んでいくのが痛快である。Triangleは、そんなJeanneauが67年にPapillonことGérard FournierJean-Pierre Prévotatらと結成したRockバンドである。ここでJeanneauはTenorやSopranoのSax奏者としてだけではなく、鍵盤も演奏し、Fluteも吹いて活躍している。その後、Delired Cameleon FamilyでもSaxのみならずArp Synthesizerを演奏し、Clearlightの『Forever Blowing Bubbles』でもSynthesizerとFluteを演奏している。これらはVersatileな音楽家にとって決して寄り道ではなかったのである。以降、JazzシーンにおいてもJeanneauはProgressiveで多面的才能を発揮した意欲作を発表していくことになる。確かにTriangleの作品は今聴けば、時代を感じさせるPsychedelicでArt Rockの影響を受けたBluesyなBritish Rock風のもので、Jeanneauの関連作としては異色に感じられるだろう。だが、そこにはJeanneauらしい冒険心が垣間見られるのだ。 TrafficやSpooky ToothのようなSoulfulなVocalとBluesyなサウンドに変拍子を巧みに取り入れたり、Fluteや鍵盤でJeanneauがElegantな香りを付け加えているのが良い。

 『Triangle』は70年にリリースされたTriangleのデビュー・アルバム。ベース奏者Gérard FournierのVocalも黒っぽく、この時代らしいBluesyな感じが伝わってくる。ドラムスのJean-Pierre Prévotatとのリズム隊も当時のフランスのRock系にしたらタイトである。ギターはクレジットがないがPaul Fargasと思われる。
アルバム1発目の“Peut-Etre Demain”は軍靴の響きから始まる、この時代らしい演出とカッチリしたリズム隊がイイ感じ。泣きのギター・ソロも待ってましたという感じ。後半のSaxとベースのUnisonもカッコイイ。
Letf With My Sorrow”も、時代を感じさせるBluesyなギターのRiffで始まる。Gérard Fournierの野太いベースとSoulfulなVocalも豪快さん。VocalもサウンドもTrafficの影響を感じさせるところが面白い。後半Fluteも加わるところも良し。
Blow Your Cool”もGérard "Papillon" FournierのVocalが何となくSteve Winwoodっぽい。途中でPercussionのみになるところがAfroっぽくて激カッコイイ。
Guerre Et Paix”ではJean-Pierre Prévotatのドラム・ソロもFeatureされている。次々に展開していく極だが、ここでも幻想的なFluteが活躍するところがカッコイイ。
最後のナンバーはHeavyなRiffで始まる“M.L.-G.G. / Cameron's Complaint”。インスト部ではCanterburyな香りも漂う。
(Hit-C Fiore)