Azteca/Azteca | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

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 Tom Harrellという大好きなTrumpet奏者は、演奏は勿論素晴らしいのだが、ComposerArrangerとしての才能も人並みはずれている。演奏者としては、TrumpetもFrugelhornも、その音色の素晴らしさと、絶妙にインとアウトしながら美しい旋律を歌い上げるセンスの良さに感服だ。そして、自分が大好きなMusicianのアルバムにTom Harrellの名前を見つけることが多いのが嬉しい。そんなHarrellが参加し自作曲を提供した最初期のバンドAztecaである。HarrellがSantanaの『Caravanserai』で1曲のみだがOrchestral Arrangementで参加したのは知っていたが他にもMaloCold Bloodといった連中のレコードにもArrangeで参加していたのだった。Horace SilverBill Evansと共演する前に、70年代前半のBay AreaでLatin~Funk系のバンドで活躍していたHarrel。Tom Harrellを贔屓にする者として、勿論Aztecaが70年代に残した2枚のアルバムは外すことはできない。AztecaはSantanaを脱退したCoke Escobedoを中心に錚々たるメンツが集結したスーパー・バンドである。CokeとPeteのEscobedo兄弟に『Caravanserai』に参加していたHorn隊4人をフロントにしたAztecaはリズム隊もPaul JacksonLenny Whiteと強力だ。鍵盤は George DiQuattroに、Organは名曲See You Laterの作者として知られるFlip Nunes、エレピにはGeorge Muribus。ギターはJames Vincent。ゲストのギタリストは元SantanaのNeal Schonだ。VocalのRico Reyesも元Santana。Afro AmericanのErrol Knowlesと紅一点で『Caravanserai』でピアノを弾いていたWendy HaasもVocalとして参加している。

 『Azteca』はAzteca72年にリリースしたデビュー・アルバム。
アルバムの幕開けはHarrellとWhiteの共作の“La Piedra Del Sol”。Horn隊のEnsembleにエレピ、バンド名のように謎めいた神秘的なオープニング。
続いてPercussionHorn隊が勢い良く盛り上げるLatin“Mamita Linda”。英語とスペイン語が混在する歌詞も彼ららしい。
Catchyなイントロで始まる“Ain't Got No Special Woman”。NunezのOrganソロが聴ける。
James Vincent作のSoul BalladEmpty Prophet”。
作者本人のVocalによるPaul Jackson作“Can't Take The Funk Out Of Me”は、泥臭いFunkGeorge DiQuattroClavinetソロが最高。
DiQuattroとPete Escovedo共作の“Peace Everybody”。細分化されたLatinのRhythmにNeal SchonのギターとBob FerreiraのSaxが躍動する。
Flip Nunez作の“Non Pacem”は、Rhythmが刻々と変化し、Tom HarrellTrumpetソロが虚空を切り裂いていくアルバムで一番好きなナンバー。名手Mel MartinSopranoソロもカッコイイ。
Tito Puenteの“Ah! Ah!”。
Nunez作の甘くとろけるような“Love Not Then”。Wendy HaasのVocalも素晴らしい。高揚感に満ちた大好きな曲。George Muribusのエレピ・ソロもNunezのOrganソロも気持ち良すぎ。
8分の6拍子でバンド名のタイトル曲“Azteca”。
最後はオープニング曲に戻り8分の6拍子で浮遊するエレピがたまらない“Theme: La Piedra Del Sol”。
(Hit-C Fiore)