
James MtumeとReggie Lucasの黄金コンビ。ご存知の通り2人ともElectric Miles時代、帝王のFunkを学び、支えたツワモノである。このMiles学校卒業生の名コンビはJazzからFunk、Disco、Soul、R&Bな世界へ転身して70年代後半から80年代初期にかけて時代の音を作り上げた。NY Funkとも称されるそのサウンドは個人的にも一時ハマったものだ。双頭ユニットとしてだけではなく、彼らはMTUMEというグループも結成してHubert Eaves IIIやTawatha Agee、Howard King、Ed "Tree" Mooreといった逸材を生んでいる。そんな名コンビのPopフィールドでの成功の理由はStephanie Millsの“What Cha Gonna Do With My Lovin'”という曲を聴くと、よくわかる。BottomはあくまでFunky、ウワモノは小気味良いカッティング・ギターやエレピやSynthe、そしてPhilly Soulを思わせる煌びやかなStrings、それにCatcyなメロと魅惑的なChorusがのるのだからたまらない。思わず腰が動き出すサウンドである。本盤の主人公Stephanie MillsはApollo TheaterのAmateur Nightに出て6週連続で王座を勝ち取った実力の持ち主。抜群の歌唱力とはいっても彼女の個性的なVibratoをきかせた声は、好き嫌いが分かれるところであろう。しかし、それをも逆手にとってCuteでSexyな歌モノを作り上げたMtumeとLucasの手腕には脱帽だ。そしてMillsは現在もバリバリの現役で歌い続けているのだが、年齢を感じさせないどころか、ますます円熟の極みといった感じで驚きである。彼女は10代の頃Broadwayに進出して、『Wonderful Wizard of Oz(オズの魔法使い)』のAfrican American版の『The Wiz』というMusicalのDrothy役として一躍脚光を浴びていた。後に映画化された時はDrothy役はDianna Rossが演じ、Michael JacksonがScarecrow(案山子)役で出演している。
『What Cha Gonna Do With My Lovin'』は79年にリリースされたStephanie Millsのアルバム。James MtumeとReggie LucasのProduceで、MTUMEファミリー総動員で制作された。中でもBacking Vocalで参加するだけでなくVocalやChorusのArrangeまで手がけたTawatha Ageeのセンスの良さが光る。
アルバムはタイトル曲“What Cha Gonna Do With My Lovin'”からスタート。
続いては、Giorgio MoroderのMunichサウンド風のElectroなイントロからド派手なOrchestraの“You Can Get Over”はRetroなDiscotique。
TawathaのChorus Arrangeが素晴らしい“Deeper Inside Your Love”。切ないメロディーを歌う可憐なMillsのVocalが良し。
Peabo Brysonの“Feel the Fire”は濃厚なBallad。
“Put Your Body In It”はギターのカッティングSynthe-Bassがカッコイイ。繰り返しの美学で心地良くなっていると、一気にサビでの派手なStringsとChorusで盛り上がるのが彼らの得意なパターン。
“Starlight”はMillsのCuteなVocalの魅力が爆発している。心地良いバックの演奏も良いが、華麗なStringsのArrangeが素晴らしい。
“You And I”はアコギが印象的なBallad。
最後は、うねりまくるベースラインとHandclapsがFunkyな“Don't Stop Dancin'”。
◎まだまだ現役で頑張っているStephanie Mills
What Cha Gonna Do With My Lovin/Stephanie Mills
Put Your Body In It/Stephanie Mills
(Hit-C Fiore)