
Marcos Valleが関係するNovelaの音楽を追いかけているとキリがない、と以前書いたような気がしたけれど、やっぱり止められない。Valleの書いた曲が収録されてるけど本人のアルバム収録曲を聴けばいいや、なんて長いこと手を出さなかった本盤。ところが、Raymundo BittencourtのArrangeが激カッコイイ“Wanda Vidal”を聴いてソッコウでGetしやした。Valleの71年のアルバム『Garra』に収録されている曲をテンポをアップして女性の笑い声やChorusやStringsの絡みが見事に心地良い作品に仕上げている。『O Homem Que Deve Morrer』、日本語で『死ぬべき男』という物凄いタイトルがつけられているこのアルバム。Valleの曲以外にも大変気になるMusicianの名前がチラホラ。Burnier & Cartierの片われのギタリスト、S.S.W.であるOctavio Bonfa、EroticなScatで魅了するIlka Soares、Maria Creuza。作家陣としては、何と言ってもEdu Lobo。そして、自らも魅惑のWhisperで歌う作曲家Denise Emmer。63年の『Amor En Bossa Nova』で知られるギタリスト、S.S.W.のReginaldo Bessaの曲も収録されている。中でもEdu Loboの73年の名盤『Missa Breve』に収録される事になる“Porto Do Sol”は絶品だ。これだからNovelaモノは止められない。
『O Homem Que Deve Morrer』は71年にリリースされたNovela盤。
“Menina Do Mar”はMarcos Samyが歌うReginaldo Bessa作の泣きの1曲。途中の転調も、郷愁を誘うメロディーも良し。
Edu Lobo作の“Porto Do Sol”はVenda e Gutoの男女混声で歌われる。めくるめくOrchestratonが軽快なリズムにのって心地良い。
ファズ・ギターとオルガンが何とも時代を感じさせる“Solto No Ar”。
Maria Creuzaの歌う“Um de Nos”。Mariaさん、本当に色っぽいVocalですな。
Gonzaguinha作の“Zambi Rei”は土着的なサウンドとVocalが印象的。
大好きな作曲家Denise Emmer作の“Navegador”。何やらAcid感たっぷりのサウンドながらも彼女らしいChorusやStringsの旋律にのってMarcos Samyが歌う。
タイトル曲の“O Homem Que Deve Morrer”は幻想的に始まり荘厳なChorus、刑事ドラマの追跡の場面の劇伴風と次々に展開していく曲調がおバカで面白い。
そして、お待ちかねMarcosとPaulo SergioのValle兄弟作の“Wanda Vidal”。
Octavio Bonfa(Luiz Octavio Bonfá Burnier)の“Come to Me Together”。お得意のChorusワークが心地良い。Quinteto Ternuraも、この曲をCoverしているが、そちらも素晴らしい出来。
Ilka Soaresのお色気たっぷりのScatが悩ましい“Um Certo Dia”。バックのChorusも良し。
◎Wanda Vidal
(Hit-C Fiore)