USA Union/John Mayall | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

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 John Mayallは不思議な魅力を持ったMusicianだ。Eric ClaptonPeter GreenMick Taylorといったギタリストを輩出したJohn Mayall & The Bluesbreakersのアルバムも含めてMayallの作品の中で一番好きなのはぶっちぎりで69年の『The Turning Point』である。The Bluesbreakersを解散させたMayallが辿りついたアコースティック路線の新境地。Mark-Almondを結成するギタリストのJohn Markとマルチ管楽器奏者のJohnny Almondを擁するDrumlessのQuartet編成。続く同路線の『Empty Room』ではベーシストにCanned HeatのLarry Taylorがゲスト参加している。しかしMarkとAlmondはアルバム完成後に脱退してしまい、MayallはLAに拠点を移して制作された本盤は、Drumlessのバンド構想はそのままに地元のメンバーを抜擢した新しいQuartetでの作品となった。移住先がChicagoではなくLAというところがMayallらしい。まんまBluesを追求するわけでなく、あくまでも自分のBluesを追及する人なのである。Taylorに続いてCanned Heatを脱退したHarvey Mandelをメンバーに加えている。そしてViolin奏者として元Don & DewyのDonことDon "Sugarcane" Harrisを加入させる。この人はZappaと共演したり、あのJohnny OtisのProduceで1stソロアルバムを制作したり、かと思えばMPSからの2ndソロは天才ギタリストVolker Kriegelを迎えてJazzrockをやってみたり芸風がかなり広い人である。このメンツはMayall以外は全員米国人であるからして、このアルバム・タイトルであり、母国では、そのあたりの反応は微妙だったに違いない。しかしこういうカラっとした空気感の中でMayallのSongwitingはたまらなく英国な部分を垣間見せるのである。お気に入りのMandelの、のたうち回るギターが堪能できる本盤はClaptonやGreenやTaylorがいなくとも大好きな音盤である。

 『USA Union』は70年にリリースされたJohn Mayallのソロ・アルバム。Bluesに根ざしながらもJazzやR&B、Funkへの目配りも出来る腕達者なメンバーをバックに
Laid-BackしたEco-HippieなMayall節が楽しめるアルバム。
オープニングの“Nature's Disappearing”はMandelのFunkyなカッティングにMayallのHarmonicaとVocalが心地良いナンバー。Mandelの不思議ちゃんなソロも最高。環境破壊に対してJohnは、この頃から一家言あったわけですな。
酩酊感たっぷりのMandelのギターが素晴らしい“You Must Be Crazy”。
Night Flyer”はイントロのHarrisのViolinがアメリカンなわりに歌が始まると英国調になるMayall節が最高の3拍子のナンバー。
ベース・ソロも飛び出す“Off the Road”。
メチャクチャカッコイイFunky BluesPossessive Emotions”。
ご機嫌なBoogie Woogie調の“Where Did My Legs Go”。
アルバムで一番お気に入りのFunky BluesGo Took the Car”。
Crying”は"Sugarcane" HarrisのViolin独奏からMandelのバッキングが加わり、Acid感のあるSlow Blues
My Pretty Girl”は恋愛モードPopなMayallを堪能できる。
最後をシメるのはMayallのお気楽Lazyな歌いっぷりがイイ感じの“Deep Blue Sea”。Funkyなカッティング、ソロとMandelのSanakyなギターも良し。

これはドラム入りの演奏で

My Pretty Girl/John Mayall

(Hit-C Fiore)