名義上Gongになっているが親分Daevid Allenどころか前作『Shamal』ではゲストとしてだが参加していたSteve Hillageまでもが抜けてしまったGong。Vibraphoneも演奏するドラマーPierre Moerlenと名参謀Didier MalherbeにXylophoneやMarimbaなど各種Percussionを担当し、後にEdition Specialeに参加する才女Mireille Bauerは残ったものの、Gongは一体どうなってしまうのか?と思っていたらAllan Holdsworth先生、さらにJef Gilsonと共演し、Jazz Rock系グループのChute Libreに在籍していたPercussion奏者Mino Cinelu、Pierre Moerlenの弟でPercussion奏者Benoit Moerlenが参加している。またFrancis Baconの名前で『Flying Teapot』に参加していた元MagmaのFrancis Mozeが再び参加している。つまりGongは4人の打楽器奏者を擁するPierre Moerlen主導のRhythm Orientedなバンドへと変貌したのであった。前作『Shamal』にはまだ少しはあったDaevid Allen翁譲りのお惚け感と現実離れしたSpacyな感覚はもはやすっかり消えてなくなりテクニカルなJazz Rockの部分のみを継承したサウンドは、それはそれで楽しめるものだ。この後Pierre Moerlenが主導権を握ったGongは『Expresso II』を発表した後に79年作『Downwind』からPierre Moerlen's Gongと名乗り、VibraphoeやMarimbaや各種PercussionがMinimalに、心地良く幻惑するJazz Rockバンドとなっていく。
『Gazeuse!』はGongがVirginから74年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目はMinimalなVibraphoneとAllan Holdsworthのギターが炸裂する“Expresso”。楽曲としては今一つだけどアラホ先生のこれでもかの弾き倒しが素晴らしい。
ギターののHeavyなRiffから始まるAllan Holdsworth作の“Night Illusion”。
幻想的なVibraphoneとMarimba、Glockenspielの調べに微睡んでしまう“Percolations (Part I & II)”。後半の打楽器の嵐のような乱れ打ちはもう少し工夫が必要で若干退屈かもしれない。
再びAllan Holdsworth先生のペンによる“Shadows Of”。こういう曲でのFrancis MozeのうねりまくるFretless Bassはカッコイイ。Didier MalherbeのFluteもイイ感じだ。勿論アラホ先生お得意のTappingとHammaring On/Offを駆使した弾き倒しが炸裂している。
Moerlen作の“Esnuria”。ここでもアコギでアラホ先生が強烈な弾き倒しを披露。カッコ良すぎるDrum Breakにアラホ先生のRockなRiffが絡む。VibraphoneとMarimbaも幻惑するかのように乱舞する中、Mozeのベースはうねりまくり心地良いノリに腰が動き出す。
最後をシメるのはFrancis Moze作の“Mireille”。Mozeの弾く煌くようなエレピにのってアラホ先生がアコギをMellowに弾きまくりっす。
(Hit-C Fiore)