大好きな英国人ギタリストChris Spedding。Ian CarrのNucleusのメンバーとしてだけでなくMichael GibbsやFrank Ricottiのアルバムに参加していたのでJazzrock系の人として認識している方もいるようだ。かと思えばPunkやRockabillyといったエッジの立ったギター弾きのイメージを持つ人もいるだろう。実際にSex Pistolsのアルバムでギターを弾いていたという噂が流され(実際に3曲Produceしているが)たり、NYでのRobert Gordonと一緒に活動をしていた70代後期のSpeddingは、風貌も含めて、そんなイメージだ。髪型もファッションも、この時代のChris Speddingは最高。この時代のトレード・マークとなったGibson Flying Vを弾くリーゼントのSpedding最高みたいな。Roxy MusicのBrian Ferryのソロ・ツアーでのカッコイイ弾き姿は強烈な印象を残してくれた。こう書くと捉えどころのないギタリストみたいな感じだ。Versetileといえばそうだが、器用さや超絶テクニックで対応するのではなくて、独自の感性で求められる世界を作り上げるギタリストだと思う。SpeddingがSessionで呼ばれることが多かったもその辺だろう。バイクと車と女の子が大好きなのはロッケンな男の証であるが女性Singerとの仕事で発揮されるSpeddingの繊細なギターも素晴らしい。先日追悼記事を書いたLesley DuncanやLinda LewisにJulie DriscollやLinda Hoyleのバックで弾いてるギターは実に味わい深いものがある。

“Motor Bikin'”は76年にリリースされたアルバム『Chris Spedding』に収録されている。このアルバムではドラマーのBrian Benettが参加しているけれど、この曲ではドラムを叩いていない。このアルバムは“Guitar Jamboree”というひょっとしてSpeddingのソロで一番知名度の高いナンバーにつきるのだけれど、実はこの“Motor Bikin'”とか“Boogie City”の路線が気に入っている。Speddingのロッケンな時代のアルバムとしては『Hurts』の方が何倍も気に入っているし、実はSpeddingのソロ・アルバムでは本国では発売されなかった英国的な『Songs Without Word』と歌モノのアルバム『Backwood Progression』が一番好きだったりするんだけど。
◎Chris Spedding website
(Hit-C Fiore)