Booker Tの“Jamaican Song”と言えば、今や何たって蒼井優さんの出演しているKIRIN「午後の紅茶」のCMソングである。
Memphis生まれのBooker T. Jones。来日していたとは知らなかった。この名曲もやってくれたそうで、行きたかったなぁ(涙)。まぁ、とうの昔にGrammy賞には興味は失っているけれど、昨年Best Pop Instrumental Album部門を受賞したという話題や例のCMのこともあって、御大への注目は、ここ日本でも高まってきているのだろう。
Booker TといえばHammondだけど、彼の唄う歌も中々味わい深いものがある。The Booker T. and the MGsのアルバムしか知らなかった自分はBooker T. & Priscillaの一連のアルバムを聴いて、歌を生かしたその素朴な曲作りの妙と、彼の味のあるVocalに驚いたものだ。Rita Coolidgeの姉であるPriscillaとのアルバムではMGsとはうって変わって、南部の土臭さを前面に出してくれて、個人的にも実にツボであった。この素朴な歌心は彼のProduceした作品にも通ずるものがあって、Bill Withersのデビュー・アルバム『Just as I Am』などは、何も飾らず自然体で音楽に取り組んで作り上げた良さが出ている作品で、とても気に入っている。
この曲を最初に聴いた時は、子供たちのChorusという反則技を使っているにもかかわらず、やっぱり心にクるものがあった。それはBooker Tが持っている味わい深い歌心と、普段着姿の素朴な歌声によるものが大きい。Singer SongwrierとしてのBooker Tの、魅力溢れるナンバー。

“Jamaican Song”は、Booker Tの74年のソロ・アルバム『Evergreen』に収録されている。Davit T. WalkerやJim Keltnerが脇をシメる歌モノが素晴らしいだけじゃなくて、Booker Tといえば、そう、オルガン、お決まりのカッコイイ“Flamingo”というナンバーもあり。Folkyな“Mama Stewart”もお気に入り。この人も実に懐が深い人だ。
(Hit-C Fiore)