村上春樹さんがイスラエル最高の文学賞「エルサレム賞(Jerusalem Prize)」を受賞。授賞式の記念講演で村上さんはガザ攻撃について「1000人以上が死亡し、その多くは非武装の子供やお年寄りだった」と言及し、事実上イスラエル軍の過剰攻撃を批判した。(毎日新聞 )
「欠席して何も言わないより話すことを選んだ。」村上さんの勇気に敬意を表したい。
こちらが、その要旨(中国新聞)→村上春樹さんの講演要旨
そのスピーチを聞きながら、ふとCharles Chaplinの、あの名作『独裁者』のクライマックスである最後の主人公の演説を思い浮かべていた。
人間を壊れやすい殻をもつ卵に例えているところが村上さんらしい。高校生の頃、村上さんの作品を無我夢中で読み、早く物事を冷静に、客観的に見る事ができる大人になりたいと思ったものだ。
我々には守るべきものがあるのだ。それらを「安っぽいヒューマニズム」だと笑うのであれば笑えばいい。ただ1つ確かな事は自分は守るべきもの、それは身近なもので、家族であったりするけれど、それを攻撃してくるものに対して徹底的に守り抜くだろうということだ。
Todd Rundgrenの作品に“Sons of 1984”という曲がある。この“1984年の子供たち”という邦題をつけられたナンバーは子供たちの未来を想うToddらしい曲である。Toddの歌詞は時としてベタ過ぎる事もあるけれど心に強く訴えかけてくるのである。
『Todd』は74年リリースのTodd Rundgrenのソロ・アルバムである。レコード2枚組である。『未来から来たトッド』という邦題がつけられている。Toddのソロ・アルバムには、おもちゃ箱をひっくり返してハチャメチャに遊んでいる印象を受ける作品がいくつかあるけれど、このアルバムも、そういう印象が強い。この時期のToddはSynthesizerや新しい機材、録音方法への興味を作品に投影している。そして、いつものように実験的な作品やハードにキメるナンバーの合い間にToddらしい美しいメロディーの曲を忍ばせているからたまらない。前作“A Wizard, a True Star”のような派手さこそないけれど、大好きな作品である。
そして多分、一番ベタなToddのアルバムかもしれない、ジャケットも邦題も含めて。
おなじみの名曲“A Dream Goes On Forever”や感傷的な歌詞の“The Last Ride”。
“Izzat Love?”という、これまたフィリー・テイストの美しい小品。短いけれどこのアルバムで一番好きな曲である。どうやったら次から次に、こんな愛らしいメロディーが浮かんでくるのだろう。やっぱり魔法使いかな。
“Don't You Ever Learn?”もスケールの大きいToddd節が炸裂したメロディーの曲。
最後を飾るのが“Sons of 1984”。Toddらしいといえば、らしい曲。
by Hit-C Fiore