この1年はピアノもギターもアコースティック中心。
ま、去年と今年のEgberto GismontiのSolo Concert Liveの影響も当然あったけれど。
響きというものに対してドンドン敏感になっていくのが自分でもわかった。
料理もそうだが、シンプルになればなるほど素材自身のクオリティーの高さが問われる。
一音一音噛みしめながら、和音の響きを確かめながら弾いていく。
しばらくはアコースティックだけで演奏したい気分である。
ベタと言われようがBill Evans。
今年はもう一度、この人とBud Powellに立ち戻り、何度も何度も聴きなおした。
Evansの弾く“Santa Claus Is Coming to Town”。
Bill Evansの 『Trio '64 』 はGary Peacockをベースに迎え、Paul MotianとのTrioによる作品。
Scott LaFaroは、もうそこにはいないのだ。
この曲とアルバム冒頭の漫画の主題歌だという“Little Lulu”はもそうだが、Evansは深い悲しみを乗り越えるかのように楽しげにメロディーを弾く。
EvansとPeacockであれば、もっと哲学的、思索的になるのかと思いきや、ここでのEvansは心なしかリラックスしているかのよう。
軽快に、原曲のメロディーを崩しながらも、童心に帰ったかのように無邪気に音と戯れるEvansがいい。。
Hit-C Fiore