部屋の中が機材の熱で暖まってくるので、仕事中はまだ暖房器具を使っていない今日この頃。外に出かける時は、さすがにコートを着てるけれど仕事仲間のMichaelは12月まで着ないと意地を張っている。
Hot Chocolateという、如何にもな名前のグループ。この季節になると、子供の頃は、甘さ控えめのホット・チョコレートに牛乳をたっぷり入れて飲んでいたなぁ。そういえば最近飲んでいないかも。さて、Hot Chocolateという名前のグループは自分が知る限り英国のグループがいるけれど、本日の主役はOhio州のClevelandで70年代初頭に活動していたというグループ。面白いのはなんとギター&Vo、ベース、ドラムのTrioである事。つまり音数少な目のスカスカのFunk。コレが気持ち良い。
リーダーはVocal&ギターのLou RaglandでProduceも担当している。
Lou Raglandという人物が知る人ぞ知るで、一部カルトな人気を誇っているのである。
彼は60年代から活動を続けてきた人でU.K. のNorthern Soul 好きには彼の67年のAmy盤が人気だったようだ。
“Big Wheel”なんて渋いっす。→Big Wheel/Lou Ragland
その後、自分でレーベルを設立してシングルを出したりしていた彼が地元で結成したのがHot Chocolate。
ギターのカッティングにウネるリズムの初期Metersのような音数をギリギリに抑えたサウンド。
所々にSlyを連想させる部分があるのは時代を感じさせる。素晴らしい声の持ち主であるLou Raglandがバンドを組んで、しかもあえてVocal主体ではなくインスト・ナンバーが半分以上あるアルバムを制作した意図はどこにあったのだろうか?Lou RaglandはHot Chocolateで1枚のアルバムを残した後、再びソロ活動を開始する。
Warnerから出した“Since You Said You'd Be Mine”というナンバーも、その筋では人気である。
自身で設立したSMHレコードから78年にソロ・アルバム『Understand Each Other』をリリースする。ちなみにこのレコードのジャケットもCheapで泣けます。
個人的にはLou RaglandといえばGreat Lakes Orchestraだ。“This Is The Night For Loving”という曲がやはり一部で盛り上がったりしていた。
その後、Lou RaglandはGospelのアルバムを出すなどして現在でも活動を続けているようだ。
『Hot Chocolate』は71年にCocoレーベルからリリースされた。
原盤プレスがたった500枚という事でとんでもなくレアな代物だったらしいけれど、自分は例によってReissueの恩恵に授かりGet。英国のSoul Brotherというレーベルから再発された。
ジャケットがインディー臭漂う感じで気に入った。このイラストのジャケットも、Cheapな中に温かい手作り感が感じられて、もしかして職人気質の激渋Funkバンドではと期待を寄せてしまうのであった。
“Ain't That A Groove”はNorthanノリで腰にクるGrooveはさすがである。Lou RaglandのVocalは
“So Dam Funky”はインスト・ナンバーで3人とも結構演奏能力が高くてスカスカながらタイトなノリが良い。
“Sexy Moods of Your Mind”はジックリと攻めるミディアム。重心の低いボトムとタメのきいたリズムで曲名通りの雰囲気をかもし出すインスト・ナンバー。
“Messin' with Sly”という曲は、なんと、まんまSlyのDarkな色合いのインスト・ナンバー。
“We Had True Love”はお決まりの語りから始まりLou RaglandのVocalが堪能できるバラード・ナンバー。リズミカルなナンバーも、こういった哀愁のあるスローもLou Raglandの少ししゃがれたVocalはバッチリ。バックがスカスカな分、Vocalが深く心に染み入ったりする。
“What You Want to Do”もギターとリズム隊の絡みがRawなインスト・ナンバー。太鼓の人も中々頑張ってる。
ドラム・ソロなんかもあったりして。
“What Should I Do”は前述ののソロ・アルバム『Understand Each Other』でも再演している。
Lou RaglandのSoulfulな歌声が素晴らしいだけに何故にインスト・ナンバー中心のFunkを演奏しているのかという疑問はある。
けれど、このスカスカのFunk Trioの演奏は、それはそれで面白いかもしれない。
Hit-C Fiore