朝晩、冷え込む季節になってきた。こういう季節に家で温かい紅茶でも飲みながらリラックスしたい時によく聴いている一枚。
ギタリストのJohn Renbournのソロ・アルバム『The Hermit』。
惚れ惚れするほどギターが上手いし、音色が美しい。ここは正座して熱心に聴きこんでしまったり、アコギを持ち出してコピーしたくなる(出来ませんが)気持ちをグッと抑えて、Volumeを抑え目に、あえて聴きながす。至福の時間である。
John RenbournとBert JanschというPentangleの2人のギタリスト。
有名なPentangle誕生のきっかけとなったDuoアルバムの『Bert And John』の素晴らしさ。
2人は、それぞれのソロ・アルバムを何枚も残していて現在も活動中のようだ。
いずれもギター奏者としてもSong Writerとしても卓越した才能が光り輝いている作品だ。
2人は自分にとって柔と剛のような存在で、当然両者とも大好きなMusisianである。
そういえばPentangleの名作『Sweet Child』がリリースされたのは68年。
今年はちょうど『Sweet Child』リリース40周年記念という事で、なんとオリジナル・メンバー5名で再結成されてTourも行われたようだ。
今までに何回か再結成されてはいたがオリジナル・メンバー5人が揃って本格的に活動するは73年の解散以来のものだそうだ。(2007年のFolk Awardsで一時的に再結成された事が契機となったらしい。)
一線を退いていたメンバーもいたとはいえ是非、BertとJohn,そしてJacqui McShee, Terry Cox, Danny Thompsonの5人が揃ったステージを生で体験してみたいものだ。
Pentangleの演奏
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『The Hermit』は76年に発表されたJohn Renbournの6枚目のソロ・アルバム。
すべて自ら弾くギターのみ(2曲のDuet以外)という作品で『世捨て人』というタイトルからも彼のストイックな姿勢が伝わってくる。だからといって構えることはないと思う。
その美しいギターの調べに身を任せればいいと気楽に考える自分がいる。しかし実際に演奏しているJohn Renbournの求道者のような姿勢には敬服だ。
月並みな表現だが心が洗い流されていくような音楽である。
JazzやBlues, Trad, 中世音楽とジャンルの枠を越えたギタリストであったRenbournがCeltという地平へ踏み出していく作品。
アルバム・タイトル曲“The Hermit”はいきなり6弦をDにドロップした変則チューニング。それにしても効果的に使われるHarmonicsの響きといい弦楽器の特性を生かしたメロディー・ラインが流麗である。
“Goat Island”は軽快で愛らしい曲。少しBluesyなところもあり、途中の展開部分も好きである。
“Old Mac Bladgitt”は美しくて高貴なイメージの名曲。ガラス細工のように繊細で儚い感じ。
ため息が漏れそうなほど美しい曲だ。
“Faro's Rag”は何人かCOVERしている人がいるのを知っていいて、自分もかつて挑戦した曲。こういう曲をスラッと弾けたら最高に気持ちよいでしょうな。久しぶりにScoreを見ながらやってみたら当然弾けなかった(涙)。
心地良いBluesyな曲も得意なJohn Renbournだが、聴くと弾くでは大違いである。
“John's Tune Three Pieces By O'Carolan”はアイルランドの盲目のHarpistO'Carolanの曲。