向田邦子 男どき女どき&思い出トランプ | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

以前「男どき…」には少し触れました。前回記事 参照。

2作品共に、日常の生活に潜む微妙な心理(ちょっとした不満、とか)を

サラッと描いており、ドキリとさせられる。

一見平凡に見える暮らしにも小さいドラマがあったりする。

気付いてるのに気付かないふりしたり、心を見透かされたり…。

おとなしく従順だと思ってた妻に他の男の影がちらつき…とか、その逆つまり

夫に他の女が居るようだ…とか。

大事件が起きるわけでもなく、かといって何も起きなくもない日常を淡々と描く、

その向田作品の雰囲気が好きだ。

男と女というよりは、むしろ夫婦あるいは親子を描いたものが多いかも。

向田作品を何故か盆暮れに無性に読みたくなるのは、家族の話が多いから

だろう。


両方の装丁の画風が似てると思ったら、案の定同じ方で、風間 完さん。

素朴でレトロで、素敵だ。

向田さんの文章は言葉遣い・表現が綺麗で、品がある。そして全体の雰囲気が

なんだか‘しっとり’してる感じがする。

また会話のテンポがゆったりとしており、読んでいると作品が描いてる

昭和の時代にタイムスリップし、ちゃぶ台で茶を飲みせんべいをかじってる 

かのように錯覚する。

爆笑問題の太田氏が、向田さんの大ファンだそうな。

惜しい人を失くしたもんだ。

                  byヴィヴィ