とっくに明けましたね。早くも更新ペースが遅くて先が思いやられる…そんなですが、今年もよろしくお願いします。
平成に入ってもう20年と思うと、感慨深いです。20年もたったんですね。
さて、今年最初の記事は映画ネタからお送りします。
3日に「鬼龍院花子の生涯」(1982五社英雄監督)4日に「時代屋の女房」(1983森崎東監督)と夏目雅子サンの作品をTVでたて続けに見ました。
いやー「鬼龍院」、面白かったー。なにせ大正~昭和にかけての話なので、現在のやくざと全然違うんですもの。
組の者が敵に殴りこみをかけた時には銃も使ってたけれど、基本は刀だし、洋服でなく和服着てるし。着物&刀のやくざが新鮮。
夏目雅子が、どう表していいかわからないほど素晴らしい!やくざに属してるのだけれど神々しくて凛としてて、とにかく美しい。
演技がすさまじくて迫力あるし、色っぽいし(胸が大きい)しかも当時何と24歳!信じられない、あり得ない、24歳にしてあんなに色気あるのって。
岩下志麻も怖綺麗で刺青がエロくて凄味があって煙草ふかす姿がかっこいいし、夏木マリがまだあどけなくて脱いでて綺麗な裸なんだけど、夏目サンの美しさがあまりに際立ってるから、他の女優がかすんで見える。
それと仲代達矢が目力が強くてかっこいいんだ、これまた。着物&刺青が似合うんだな、これが。
土佐の風景・やくざの邸宅・女優陣の着物など美術が美しい。
フィルムからは重厚な雰囲気が醸し出され、全体的に大人の色気が漂う感じ。
ストーリーが練られているのはさすが、宮尾登美子原作だけある。
父と娘・夫と妻・男と女・女と女・男と男の関係の中で悲しい人間の業がよく描かれていると思います。
とにかく夏目雅子の美しさにひたすら心を奪われる、また、昔のやくざ者の世界の雰囲気を堪能できる作品です。
他の宮尾サンの土佐もの3部作も気になります。
「時代屋の女房」は夏目サンはそんなに多く画面に出てこないですが、だからこそ存在感が際立ちます。
周りが普通の庶民の暮らしをしている中、失踪癖のある真弓の不思議なイメージにピッタリ重なった、夏目サンの浮世離れした美しさや雰囲気が強く印象に残ります。
この作品での夏目サン(真弓)は可憐で可愛い。一方美郷(二役)での夏目サンはコミカルでひょうきん。美しいだけでないのがこれまた凄い。
話し方・しぐさ・立ち居振る舞いが何ともチャーミングな女性です。
また主人公の渡瀬恒彦が、ひょうひょうとした中にも愛する女に去られた哀愁を、作り過ぎず自然に演じていて、とてもいい味出してます。
声がまた色っぽくて素敵です。
津川雅彦(変なパーマに注目)演ずるうさん臭い女たらしは、人情味があって憎めない奴。
平田満(かなり若い)のバリバリ体育会男が笑いを誘う。
この作品の登場人物は皆寂しがり屋で、人との付き合いを求めているように思う。
けれども「聞かない言わない」都会の流儀に乗っ取りさっぱりとした付き合いをしている。それゆえ全体的に喜怒哀楽があまり表されず淡々とした感じが、‘まったり’していて心地良い。
また、つげ義春の世界のような侘しさがどことなく漂ってもいる。
この作品を見て思うのは、男はそばに女がいないと駄目なんだ、ということ。
見た後すぐは地味だと思い、また夏目サンの出番が少ないからちょっとがっかりしたけれど、後から思い返す度に味わいが深まっていく、非常に大人っぽい、雰囲気のある粋な作品。とても好きになりました。
綺麗で可愛くて色気があって演技が良くて、凛としててけれど儚い感じもあって、圧倒的な存在感とオーラがある。
そんな完璧な夏目サンのような女優は、もう今後二度と現れないのではないでしょうか。
私が男だったら絶対に惚れるでしょう。女の私から見ても惚れ惚れするし、他の女優に相当妬まれただろうなと思ったりします。だって共演した男は皆、夏目サンを好きになりそうですもの。
byヴィヴィ