「Jamiroquaiのやっている事なんかオレは20年前にやっていた」と豪語して
いたのは元Deep PurpleのGlenn Hughes先生。
Deep Purpleに加入する前にGlennが率いていたトリオTrapezeでも2枚目の
作品『Medusa』から、わずかながらFunkの萌芽が見られるし、力が入りすぎて
青臭さと荒さが目立つがソウルフルな歌い方は強烈な個性を放っている。
『You Are The Music…We’re Just The Band』は72年に発表された彼らの
3枚目の作品だが、黒人音楽に憧れたGlenn節が全開になっている。
力み気味のシャウトと、コブシがきいた熱唱型の節回しは、確かにトゥーマッチ
な部分が多いが、GlennのSoul Musicへの深い傾倒ぶりがうかがい知れる。
GlennはDeep Purpleに参加するやいなやバンドにFunkyな感覚を持ち込み
Ritchie脱退後に加入したTommy Bolinとともに『Come Taste The Band』
で“Getting’ Tighter”のような曲でFunkyなロックのカッコよさをみせつける。
しかし、なんといっても1stソロアルバム『Play Me Out』でみせる愚直なまで
の黒さへの憧れが素晴らしい。
77年に発表された『Play Me Out』は、前年に惜しくもこの世を去ってしまった
盟友Tommy Bolinに捧げられている。
「Stevie Wonderになりたかった」といっていたGlennがVocal,Bass以外にも
GuitarやKeyboardまで演奏している。
Trapeze時代の仲間であるMel GalleyやDave Hollandも参加しているのが
よい。
PianoのTerry Rowleyも元Trapeze。
TrumpetはHenry LowtherでMark NauseefがPercussionで参加している。
WildでFunkyなギターを弾くPat Traversも参加している。
“Space High”や“It’s About Tme”はGlennのVocalがパワフルで、バックの
Stringsもスケール感の大きさを演出している。
チープなリズムボックスから始まる“LA Cut Out”ではGlennのスラップ・ベース
とワウ・ギターがHorn隊と一体となって、NastyなFunk風味がいかにもである。
“Solution”の重心の低い腰にクるBassとキレの良いカッティング・ギターも中々
がんばっている。
“Destiny”のSoulfulな抑えた歌い方が個人的には好きだ。
女性コーラスも効果的でウネるBassも良い味を出している。
これも個人的な好みだが、この人はVoよりエロ入ったベースラインが好きだ。
Jamiroquaiの線の細いWhite Funkは、いかにも英国的で、それはそれで興味
深いけれどGlenn先生のフェロモン濃厚な豪快サンぶりには堪らない味がある。
Hit-C Fiore