イギリスでも多くのブルー・アイド・ソウルを基調とした音楽が
生まれたけれども、それらが魅力的に輝くのは、何と言っても
英国独特の味わいが加味されて単なる黒人音楽の模倣に終わ
らなかったからだろう。
それはトラッドの影響だったり、英国風のポップ風味やシニカル
なセンス、パブロックやプログレッシヴな要素だったりする。
Suoerchargeはモンティ・パイソンを連想させるキツメのユーモア
と庶民的なパブロック精神に英国的な味わいを強烈に感じさせる
リバプール出身のファンキーなバンド。
後期はダメダメなポップディスコバンドになってしまうけれど初期
の頃はユーモア溢れるファンク・バンドだった。
「Local Lads Make Good」はジャケを見た瞬間にお馬鹿なお笑い
バンドと勘違いしそうだけど、実は結構な実力派バンド。
英国臭いギャグセンスが終始、前面に出てくるがタイトなリズム隊
と流麗なコーラス・ワークに時々フィリー調のストリングス・アレンジ
が絡んで、極上のメロウ・グルーヴを垣間見せる。
真面目な顔で女性を口説いたかと思ったら野卑なギャグを飛ばして
場をぶち壊すのを楽しむかのようにユーモラスなコーラスとホーンに
再びおっさんノリのヴォーカルで笑わせるセンスが英国的。
そしてライブではお笑いが前面に出て、それがバンドの一番の売りに
なってしまうのが哀しくも最高。
こんなバンドに嫌気がさしたのか後にドラマーは脱退、マンチェスター
のファンキーで英国的なモダンポップなバンドSad Cafeに加入する。
Hit-C Fiore