こんにちは、親として、教員として、大学院生として教育問題に悩む、3足ワラジのジュンコです。新学年が始まり2週間が終わろうとしています。学校の工事に伴い、大幅にスケジュールや、休み時間場所の移動、新しい先生とのコミュニケーション、学校のイベントの計画、宿泊学習の計画、などなど、やることが山積み。大学院のクラスも始まったので、かなり疲れてます。
4年生担任としては、いつも初日から、理科の実験やプロジェクトの授業から始めますが、今年はDesign Thinkingの歯ブラシロボット作りから始めました。子どもたちの反応はかなり面白かったですが、この活動から、子どもたちの性格や、クラスの特徴がよくわかります。特に、新しいアイデアを出したり、問題解決能力については、面白いほど知識のある子がいたりして、教師としては、自分も楽しめる、天才探し、とは言葉に誤解がありますが、子供の持っている能力が色々な方向で観察できる、子供達のことを知る、とてもいいプロジェクトだと思います。
去年は、できないといって喚き、もう活動に戻れなかったり、友達関係がうまくいかず、共同作業で冷たい空気が流れていたりしました。確かに、振り返ってみると一年中色々あったなぁ、なんて。最後には、一番思い出に残る学年でしたが。
問題のあるときに直接手を出さないで、子供が自分でできるようにしてあげるサポートは、教師の根気と判断力と高い目標、に尽きるかな。今、厳しくするところだ、とか、優しくするところだ、などの、勘がいりますが、教師って、そういう毎日ですよね。短い時間の間に、ものすごい数の決断の選択をしていて、それを自分で、選択理由をはっきりさせ、人間として正しいのかどうか、判断することを瞬時にできるかどうか、ですかね。子供と信頼関係を築区ため、いつも意識しています。
去年のグループは、学力のある子も多かったので、クラスでのディスカッションはとんでもなくレベルが高かったことを覚えています。四月にLGBTQの月だから、と話を始めたら、20人以上の子供達がもっとディスカッションを続けるといって、2時間くらい話し込んだりしていました。ほんっと、今から思うと、力のあるグループでした。
今年のクラスは、最初静かで、大人しくて拍子抜けして、少し感動。まあ、これがハネムーンピリオドという期間だったというのは今週気づきました。ですが、去年のグループはそれもなかったので、今年のほうが精神的には少し安心。休み時間ずっと外で様子を観察しなければいけないような、感情の起伏が激しい子がいない、というのが第一印象。これを肯定するかのように、ロボット作りの時間に、うまくいかなくてなく子がいたり、私に当たる子がいたりしましたが、それも5分くらいでまた活動に戻れている様子を見て、安心びっくりしました。
何人かの子どもたちは、私のクラスに入りたかった、と、最初から懐いてくれてます。一方、反抗的な態度をとって私を試す子ももちろんいます。でも、今日は、少しだけ、あ、先生の言うこと聞こう、みたいな姿勢が見られました。算数の時間で、大きな数を勉強している時間です。
昨日は、カードゲームで、先生対児童の子どもたちで、運による結果ですが、どちらが大きい7桁の数を作れるか、という比べっこをして、私が負け、余分に休み時間をあげました。今日は、またゲームをしたのですが、ゲームの勝ち負けで、また休み時間が増えると思っている子供達に、今日は休み時間はあげないよ、といったところ、「えー!」という不満そうな声が。全員じゃないけど、反抗的な態度をとっている子供達こそが、大きな声で文句です。
そこで、ゲームで使った数について、意味があるか尋ねました。何人かの子どもたちは、「7桁で、OOの位は4で、、、」と説明していました。そこで、新しい数字を見せて尋ねました。
「3,500,000という数字は何かを表しているけど、なんでしょう?」なんといったかははっきり覚えてませんが、いくつか出た答えは、全部見当違い。ふざけて答える子ももちろんいます。「アイスクリームの数」とかね。
そこで、私はこう言いました。「これは、亡命希望者の数だよ」
4年生の子供達は、亡命・Asylumという言葉の意味は理解していません。そこで、説明を付け加えます。
「世の中には、家を追われる、国を追われる人がたくさんいるのを知ってる?日系アメリカ人もそうだったよね、第二次世界大戦中に、自分が住んでいる場所から、収容所に行かされたでしょ。何か悪いことした?何もしてなかったでしょ、敵の顔をしている以外は」
そこで、子どもたちは真剣な顔になりました。私は説明を続けます。
「日系アメリカ人の多くは、アメリカ国内で、家を追われたでしょ、そういうのをInternally Displaced Peopleと呼びます。現在、41,300,000人います。国外に追い出された人、戦争や災害で、出なくてはならなかった人たちをRefugeeと呼びます。その数は、25,900,000人です。そして、他の国に助けを求めて、許可を待っている人をAsylum Seekers と呼びますが、その数が、3,500,000人ということです。アメリカとメキシコの国境に、こういう人たちがたくさんいるよね、テレビで見るでしょ?許可は早く出ると思う?出ないよね?でも、助けてあげなきゃ、といって、この人たち全員アメリカで面倒見られる?無理?できる方法はあるかな?」
ここまでくると、全員真剣に聞く姿勢に入っていました。「だから、学校は休み時間をもっと増やすべき、とか、夏休みを長くして、難しいことや宿題をやめて、楽しいことを増やすべき、大人は子どもに指示するな、とか、もっといい家具増やせ、とか、そういった考え方でいいかな?」というと、「あっ」という顔をしていました。先週、学校とはどうあるべきなのか、というデスカッションを何回もしたからです。
そして、最後に数字を書く練習。「じゃあ。今度は15Millionを書いてみて」
15,000,000と書き、意味を聞きます。「ヒントは、これも人口ね」色々出ましたが、国連のRefugeeの情報の刺激が強すぎたせいか、難民キャンプの数、家がなくなった人、などの意見が出ます。「うーん、違うなあー、じゃあ、ヒント、これは子供だよ」と、A Number of Children Who....と説明書きを始めます。すると、移民強制収容所に入っている子どもの数、という意見が多数出ました。そこで、私が、「いや、この子たちは家がある子の方が多いかも」と説明を書き足します。A Number of Children Who Live in Porvertyとかくと、「Povertyって何?」という質問。私が「貧しいということだよ」と答えます。そして、「どこの話だと思う?」と聞くと、「セントラルアメリカ!」「アフリカ」などという意見。そこで私が最後まで書きました。
A Number of Children Who Live in Poverty in the U.S.
「えっ?」ショックを受けたような顔をしていました。自分の国で起こっていることだとは、全く思っていなかった子どもが大多数です。中には、大変な家庭の子どももいるのですが、そういう子たちは静かに聞いています。
「アメリカの子ども達全体の21%は貧困家庭にいるんだよ。5人に一人だよ。こういう子どもたちたちがいる自分の国を、この世界をどう思う?やっぱり、勉強って大事だと思わない?」と最後に聞いたところ、結構真面目に、納得した顔をしていました。
今日の宿題は、家の中から見つけられる大きな数集めで、その数の意味を書いてくる課題です。さあ、どんな数を集めてくるか、楽しみ?
今日、このブログで使った数字は国連のサイトから取ったものです。去年の子も、学年の最初に算数の時間に少し使っただけだからあまり覚えてないかなと思いましたが、移住のプロジェクトや日系人の歴史を学ぶ中で、色々繋げていった子もいました。教育って、ほんとすごい。でも、ブレインウオッシュも簡単にできて、怖い。
_FiguresAtAGlance_Infographic(19JUN2019).png)