ゲーム誌ライターの柵馬は、新たな記事を書くために、日夜奔走する。
動くキノコを求めて奥多摩へ。
共にゲームに明け暮れた初恋の人が抱えていた秘密。尊敬する先輩ライターが残したメッセージの意味は?
憧憬は現実に直面し、諦観に押し潰されそうな日々に、僕たちはどんな希望を抱けるのか?
往年の名作ゲームを題材に描く、シニカルでほろ苦い五編の青春ミステリ。
ミステリとして成立しているのかこれ?
と思わざるをえないような話が多い。
とは言え間違いなくゲーム小説としては成立している。
そして、抜群に面白い。
もう、笑いが込み上げてくるくらい楽しい。
ニヤニヤしてしまう。
しかし、それは平成生まれが読んでもそうかね?
いまだ続編が出ている「スーパーマリオ」や「ドラクエ」などメジャーでわかりやすいタイトルを取り上げているから、誰でも「知らない」ってことはないだろうけれど、
これリアルタイムでプレイしていた世代の方が圧倒的に面白いと思う。
僕は見事にリアルタイムでプレイしている世代なのでいや本当に良かった。
あ、ミステリとしても面白いところもあって、「残響ばよえ~ん」なんかは青春ミステリとして良く出来ていると思います。