「警視庁最悪の警部」大癋見に殺害予告か?
ついに神の鉄槌がおりる?
本格ミステリの聖域を踏み荒らした男が帰ってくる。
今度は、本格ミステリからさらに芸術の世界まで生け贄に。
常に話題作を生み出す著者が、ミステリーへの強すぎる愛と、芸術への深すぎる造詣をこれでもか、と注入して生まれた痛快にしてご意見無用、巧緻にして油断大敵な怪しき力作!
いくらなんでもこれは遊び過ぎ!
前作はミステリに対する、大胆かつ鋭いツッコミでもあったけれど、
今回のは本当に「脱力系」なんだよなあ……。
深水黎一郎さんは「言霊たちの夜」という作例もあって、
ことば遊びが好きなのは知っていたけどここまでオヤジギャグに徹してくるとは。
ある意味、驚きでした。
中編「とある音楽評論家の、注釈の多い死」なんかはまともなミステリとしても成立しているのに、
わざわざ脱力系のオチをぶち込んでくるという……。
残念過ぎる。