「BLOOD ARM」 大倉崇裕 角川書店 ★★★ | 水底の本棚

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しがない書店員である僕が、
日々読んだ本の紹介や感想を徒然なるままに書いていきます。

書店のオシゴトの様子なんかも時々は。
本好きの方、ぜひのぞいてみてください。

ある山々に囲まれた地方の街で不可解な地震が頻発していた。

ガソリンスタンドでアルバイトをしている沓沢の周りでは、奇妙な出来事が次々と起きていた。

そして山へ向かった沓沢は、恐るべき現象に遭遇する。


BLOOD ARM



オビの惹句は、


「頻発する地震、増え続ける行方不明者。あの山で何かが起きている!」


である。



最近、福家警部補シリーズなんかを読んでいたので、


大倉崇裕さんが怪獣マニアだったということを忘れていた。


「無法地帯 幻の?を捜せ」とか読んでいたんだけどなあ。



さすがにミステリ的なストーリーを期待していたわけではないけれど、


ここまでシンプルなアクション小説だとは思わなかった……。



導入部が非常にミステリ的、サスペンス的だっただけにちょっと期待しちゃったかな。




峰不二子みたいなクールビューティのアクションヒロインが登場したり、


円谷プロばりの大怪獣が登場したり、


それと戦う科学特捜隊みたいな組織も出てきたり、


最後は鉄人28号だか電人ザボーガーだかわからないけれど音声入力で戦うロボットまで出てきて、


特撮物で育った世代にはたまらん展開になるし、


スピード感のある展開とテンポの良い文体ですいすい読めてしまうので、


面白くないとは言わないけれど……。



最初からこういう内容だってわかっていたらたぶん読まなかったなあ。