ペンション「春風」のオーナー・晶子のもとに、21年前のクリスマスイヴに起きた医者一家虐殺事件の復讐予告が。
現在の幸せのために、葬ったはずの過去なのに。
折しも明後日に控えたクリスマス・パーティーに常連客が次々とやってくる。
元刑事・佐竹の協力で明かされていく客たちの身元は?
※事件の真犯人に言及しています。未読の方はご注意を。
客たちの誰がに犯人がいる。
誰にも少しずつ怪しいところがあり、佐竹の協力で消去法によって犯人の正体が炙り出されていく。
しかし犯人は自分の夫。
これはかなり衝撃的な結末。
ある意味、クローズドサークルのように容疑者が限定されていて、一人一人その嫌疑が晴れていく。
そして最終的に残ったのは…という展開だが、意外な犯人という意味ではかなり秀逸なオチだと思う。
晶子、夫の郁夫、娘のあずさ、探偵役の佐竹、それぞれのキャラクターもうまく表現されていて、
暗くなりがちのストーリーを明るく読める作品。