「三国志談義」 安野光雅・半藤一利 文藝春秋 ★★★ | 水底の本棚

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しがない書店員である僕が、
日々読んだ本の紹介や感想を徒然なるままに書いていきます。

書店のオシゴトの様子なんかも時々は。
本好きの方、ぜひのぞいてみてください。

桃園の誓いから諸葛孔明の死まで―十代の頃に吉川英治で親しんで六十余年。

「三国志」には一家言ある蘊蓄過剰なふたりが「名場面の舞台を訪ねてみたら」「登場人物を採点すれば」「名言至言から学ぶこと」などについてくりひろげる放談録。

人生に役立つヒント満載。

曹操69点、劉備57点、孔明は…くすっと笑える人物採点表付き。


三国志談義 (文春文庫)


安野光雅と半藤一利という、ビッグネーム二人が、


三国志について談義するという企画そのものが、もうそそられる。


ファンにとってはうれしい一冊だろう。



あ、これはもちろん安野光雅、半藤一利両氏のファンということ。


三国志ファンにはちょっと物足りない内容じゃないかな。



ハナシはあっちこっちに脱線し、談義というよりは放談に近い。

(その脱線そのものは決してつまらなくはないのだけれど)


オビに「ウンチク過剰のふたり」とあるけれど、


まさにその通りで、語りたいことがあり過ぎるのだろうこのふたりは。



そうかと思うと、三国志の登場人物たちに、


まるでシミュレーションゲームのパラメータのような点数をつけてみたりして、


80歳ちかい二人がまるで中学生男子のように愉しんでいるのも可笑しい。


幾つになっても男子は男子なんだなと思う。