アギーレの船出 | 水底の本棚

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しがない書店員である僕が、
日々読んだ本の紹介や感想を徒然なるままに書いていきます。

書店のオシゴトの様子なんかも時々は。
本好きの方、ぜひのぞいてみてください。

結局、ワールドカップの惨敗の理由はたいして検証もされず、

それが監督選びに影響することもなく、

またしてもなし崩し的に、4年間の新しい旅がはじまってしまうのだなあ。




そんな僕のがっかりはさておくとして、


アギーレジャパンが、親善試合を1敗1分でスタートした。


まあ、結果を問われるようなゲームではなかったので、


勝ち負けに関しては「勝てたほうがよかったけどね」というくらいの認識。




この2試合で重要なのは、


アギーレがどういうサッカーをするのかということを示すことだったと思う。



そして、そういう意味においては……今一つ。


アギーレがどういうサッカーをするのかはあまりよくわからなかった。


4-1-2-3というシステムがベースになることはわかったけれど、とりあえずそれだけかな。


全体的に、ラインが押し上げられているような印象は受けたけれど、まだこれもよくわからない。




武藤嘉紀と柴崎岳という二人の若い力が代表初ゴールを奪った結果だけを見れば、


それは確かに喜ばしいことだけれど、


あまりはしゃぎ過ぎて、他の問題点を見逃すことだけはしないようにしたいものだ。




日本の失点のほとんどは自分たちのミスから起こる。


ベネズエラ戦の2失点も水本のパスミス、川島のファンブル(これは珍しい)によって奪われたものだ。


特に水本はミスをカバーしようと、さらなるミスを重ねた。


単なる個人のミスとして看過していい問題ではない。


これはもはや日本代表のお家芸と言ってもいいもので、こういうミスが無くならない限りは日本がワールドカップで好成績を残すのは難しいと思う。



アギーレはこの2試合をアジア杯に向けたメンバー選考のためのものと位置付けたが、


その第一次選考がどういう結果になったかは次の親善試合でわかるだろう。


ミスを犯したメンバーはもちろん、森重、細貝ら持ち味を発揮できたとは言い難いメンバーも、はたして次は呼ばれるかどうか。


そしてその中には本田圭祐の名前も入るだろう。


厳しいかもしれないが、それが代表というものだ。


その厳しさが今までの日本代表にはなかった。


どれほどコンディションが悪かろうが、どれほどミスを犯そうが、クラブでベンチにも入ってなかろうが、


ジーコやザッケローニの代表にはレギュラーを約束されたメンバーが少なからずいた。



代表で結果を残す。


ダメだったら、クラブで結果を出してアピールをする。


そしてもう一度代表に返り咲く。



そういう、正しいプロセスを経て集められたメンバーで組まれたチームは強い。


アギーレにはそういうチームづくりを望みたい。