「書かずにはいられない 北村薫のエッセイ」 北村薫 新潮社 ★★★ | 水底の本棚

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しがない書店員である僕が、
日々読んだ本の紹介や感想を徒然なるままに書いていきます。

書店のオシゴトの様子なんかも時々は。
本好きの方、ぜひのぞいてみてください。

「この一冊に、時の流れの中に浮かんだ、いろいろな思いを閉じ込めました」。記憶の底の事物や、ふと感じる違和感にも《美しい謎》をみつける作家の日常に、《ものがたり》誕生の秘密を垣間見る―。

独自の読みどころを教えてくれる、おすすめ本の書評、装幀の魅力、父の日記、愛猫ゆずとの日々など、1990年代から2005年までの書評と随筆を収録。

《時と人》を結ぶ読書の愉悦を共有できる、滋味あふれるエッセイ集。


書かずにはいられない: 北村薫のエッセイ




北村先生にはたった一度だけお会いしたことがあるのだけれど、


ご自身の作品から受けるイメージ通りに優しそうな方でした。


このエッセイもまた北村先生の暖かさがそのまま出ている一冊。




1990年から2005年にかけてのエッセイを集めたものなので、内容は正直古い。



今さら、そんな本紹介されてもなあというようなものもあったり、


そんなニュース忘れていたよというような話題もある。




でも。


だからと言って、読む価値のない本だとはちっとも思わない。



今も昔もまったく変わらない北村薫先生の優しい語り口と膨大な読書量、そして好奇心。


北村ミステリが生み出される源泉がここにあるのだとわかる。



とは言え。


そろそろエッセイだけではなくてミステリも読みたいなあ。


先生よろしくお願いします。