「読みだしたら止まらない! 国内ミステリーマストリード100」 千街晶之 日本経済新聞出 ★★★ | 水底の本棚

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しがない書店員である僕が、
日々読んだ本の紹介や感想を徒然なるままに書いていきます。

書店のオシゴトの様子なんかも時々は。
本好きの方、ぜひのぞいてみてください。

古今東西あまた存在するミステリ。

読み継がれる古典や毎年発表されるベストテン、映画やドラマ化、漫画化されたベストセラーに名だたる受賞作品など、いったい何から読めばいいの?迷える読者に自信をもってお薦めする、国内ミステリーの必読100作品。

買ってお得、読んで納得の新ブックガイド登場。



読み出したら止まらない!  国内ミステリー マストリード100 (日経文芸文庫)




何を読めばいいかわからないのなら、



別に読まなきゃいいじゃん。



とか言うのはさすがに暴言。



でもね。


こういうガイド本に頼って本を買っている人っているのかな?



まあ、全然いないってことはないでしょうけれど、


どちらかと言えばこういう本は、


自分が読んだ本がどんなふうに紹介されているかなーっていうところを楽しむものかなって。


つまりは書評として楽しむのが正解かと。



じゃあ、実際に書評として楽しかったかというと、それはまた別のハナシ。



だってさー。


ここで取り上げられている本って、広義でのミステリではあるけれど、


純粋な意味でのミステリではないものも結構あるんだもの。



たとえば大沢在昌や高村薫、冲方丁、石田衣良、馳星周……など。


僕の好き嫌いは別にしても、「ミステリとして」「マストリードの」100冊に入れるべきではないだろう。



そういう意味では、本格ミステリなどに特化したミステリファンには物足りないかもしれないけど、


ミステリに限らず、サスペンスやハードボイルド、SFなど、



幅広く、面白そうな本を教えてほしいなーという人にはいいかもですね。