大好評アンソロジー「Story Seller」の姉妹編をお届けします。今回も、6名の超人気作家が豪華競演。
オール読みきりで、読み応え抜群の作品を詰め込みました。
あっと驚かされるミステリ、くすりと笑える話から、思わず涙がこぼれる恋愛小説まで。物語の力にどっぷり惹き込まれる幸せな読書体験をどうぞ。
お気に入りが見つかったら次の本を探せる、作家別著作リストも完備しました。
このアンソロジーのシリーズは基本的にハズレがないのですよね。
作家さんも好きな人が多いし安心して読めます。
「読み応えは長編並、読みやすさは短編並」の看板に偽りなし。
はじめて読む人も安心。
でも、メジャーな作家さんが多いので、あまりはじめてってことはないと思うんですけどね。
「R-18 二次元規制についてとある出版関係者たちの雑談」(有川浩)
……いや、面白いんですけどね。
僕も書店員として、二次元規制のアホらしさには辟易としています。
規制しなければいけないものも、もちろんある。でも誰がそれを選ぶの? そんな神のごとき存在がいるとは思えないんですけどね。
まあ、それはそれとして。
有川さんの主張にはおおいに同意するとしても……これは小説じゃないよね。
二次元規制反対を訴えたいのならば、それをテーマにして小説を書くべきじゃないかな?
少なくともこのアンソロジーは「ストーリーセラー」なんだから。
「万灯」(米澤穂信)
バングラディッシュでガス資源開発をするために単身、未開の村に乗り込んで村長と交渉をする男。
村長は決して首を縦に振らないが、村人たちは村が経済的に潤うことを望んでいる。そんな村人たちが男に告げた交換条件は……村長を殺害すること。
ガス資源開発の拠点基地をつくらせてもらうことを条件に、人殺しに手を染めた男が受ける罰とは…?
どちらに転んでも、おそらく迎えるであろうバッドエンディング。
巧いが……なんだか物悲しい。
「約束」(湊かなえ)
湊かなえさんらしい、ラブストーリー。
愛にはいろんなカタチがあるんだろうけれど……歪んだ愛は成就することはないし、すべきでもないと思う。
そのほかの収録作品は「暗がりの子供」(道尾秀介)、「トゥラーダ」(近藤史恵)、「ジョン・ファウルズを探して」(恩田陸)。近藤史恵さんは既読でした。