第28回吉川英治文学新人賞、2007年本屋大賞のW受賞作。
天才サッカー選手の兄を見て育った新二は、自分の才能に限界を感じサッカーをやめてしまう。しかし、彼の傍にはもう一人、天才がいた。幼馴染で全国レベルのスプリンターである連。
連とともに高校では陸上部に入部した新二は、いつしか気まぐれな天才・連の背中を追うようになり、そして自分だけの輝く道を見つけていく。
第86回箱根大学駅伝は往路を制した東洋大学が総合優勝に輝きました。
選手のみなさん、おめでとうございます。
我が母校は、シード権獲得圏外。
ちっとも惜しくないから悔しさもねー。
とりあえず、また予選会から頑張ってください。やっぱり自分のガッコが出てないとさびしいから。
つーか、偏差値で勝てねーんだから、せめてスポーツはがんばろうぜ。
こっちは脳みそまで筋肉でできてるんだってところを見せてやれ。がんばれ、後輩。
それにしてもエールになってるのか、これ。
昨日は駅伝にからめて、三浦しをんさんの「風が強く吹いている」を紹介しましたが、今日はこれ。
陸上つながり。そして「風」つながり。
つながってないけど。
「風が強く吹いている」よりも、もっと青春小説寄り。
僕はこの作品で完全に佐藤多佳子さんのファンになりました。
スポーツ青春ものの白眉です。未読の方はぜひ。
僕はこの作品の中で、主人公の新二が言ったこの言葉がとても印象に残っています。
「高校で陸上やっててな、ほとんどの時が悔しいんだぞ。試合に負けたり、練習がうまくいかなったり、人が自分より強くなったり、怪我したり。九割がた悔しいんだ。嬉しいときなんてほとんどねえよ。だけど、そのぽっちりの嬉しい時が、全部の悔しいや苦しいに勝るんだよ。でなきゃ、誰が部活なんてやる?」
その通りだと思います。
スポーツというのは、何十、何百、何千時間の練習をして、結果を発揮するのは一瞬。
その「一瞬の風」を感じるためだけに、選手たちはアホほど練習をするのでしょう。
練習したこともない変化球が本番でずばっと決まるなんていうのは漫画だけの話で、スポーツの世界では絶対に練習したこと以上のものは出ない。練習の力が出ないなんてことはしょっちゅうあるけれど。
そして、練習というのは本当につまらないし、苦しい。
練習だって楽しいじゃんなんて言えるのは、後から「あれも楽しかったかも」と思えるってだけのことで、練習しているときはただ苦しくて辛いだけ。
もし本気で「いや楽しいぞ」と言う人がいたら、その人は死ぬほど練習したことがないってことだと僕は思います。
身体から取り外したいと思うほどに心臓や肺が痛くなったり、目の前が真っ白になって天地もわからなったり、指の一本だって動かすのが面倒だと思うほどに走ったりしたことがないから、そんなこと言えるんだと思います。
(いずれも体験談。思い出すだけで吐きそう。笑)
でも、スポーツっていうのは、それだけのことをする価値があるものなんですよねー。
