養老孟司さんもこんなことを言っています

ネットニュースを見ていますか?あんな無駄なものはありません

 

最初に誰かが、「○○は敵だ」「ケシカランことを言っている」「過去にも悪事を働いた悪い奴だ」と指さすと、皆一斉に同調する。

 

正しく、メデイアはこんな状態に陥っている

今まで静かだった人も俺も俺もと・・・

 

まるでタケノコのように、あっちからもこっちからも、ここぞとばかりに正義感を振りかざして湧き上がってくる

 

 

『事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけだ』 by ニーチェ

(真実とは解釈する人の数だけある)

 

 

☆川勝知事の新入職員訓示での発言をもう一度総括してみる

 

☆知事定例記者会見(4月10日)

(記者)

知事の発言は職業差別と捉え られ かねない

(知事)

職業差別は悪なんです。その言葉を使って「捉えられかねない」と言っている。

区別と差別では生業(なりわい)の違いがある。

そういう意味で言っても、職業差別だという意味で捉えられかねないという風に報道された。

けれども、「職業差別」という言葉を使われた途端に職業差別という言葉でざっと広がり、職業差別をする人間だと…

特に第一次産業に対する差別だという言論が広がった。

これは本意ではありません。

しかも驚いたことに農水大臣までもが強い憤りを感じるという、本当に驚きました。

農水省は知事になる前から深い関係があって、多くの農水省関連会議の会長や委員を務めている。

  • 農林水産省・農林水産政策研究所参与
  • 農林水産省・食料の未来を描く戦略会議委員(2007年)
  • 農林水産省・総務省・文部科学省・子ども農山漁村交流プロジェクト全国推進協議会会長(2008年)
  • ごはんを食べよう国民運動推進協議会会長(2008年)
  • 世界緑茶協会理事長(2009年)
  • 静岡県農林水産業振興会「ふじのくに食の都シンボルマーク」審査委員長(2010年)

報道したのは静岡第一テレビや読売新聞

 

静岡第一テレビ(4月2日)

 

1日、川勝知事は静岡県庁の新規採用職員に対し行った訓示の中で、特定の職業と県庁職員を比較するような発言をしました。
川勝知事は1日、新入職員への訓示の中で「県庁はシンクタンク。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違って、基本的に頭脳・知性が高い方達。それを磨く必要がある」などと特定の職業を比較するような発言をしました。
川勝知事は3月に県庁を訪問した磐田市の女子サッカーチームに対し、「磐田は文化が高い。浜松より元々高かった」と発言。さらに藤枝東高校について、「サッカーをするために入ってきている。勉強よりもボールを蹴ることが一番重要」と述べ発言が問題視されたばかりでした。
今回の不用意発言をめぐる波紋はさらに広がりそうです。

 

読売新聞静岡版(4月2日)

静岡県庁で1日、新規採用職員向けの訓示が行われ、川勝知事は「県庁はシンクタンク(政策研究機関)だ。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、基本的に皆さま方は頭脳、知性の高い方たち。それを磨く必要がある」などと述べた。特定の職業を比較するような発言で、再び物議を醸しそうだ。

知事は「うそ偽りを言わないことが大切。言葉遣いが大切です」「情理を尽くして自分が正しいと思う信念を貫くためには、勉強をしないといけない」などと心構えを述べた後、一連の発言をした。

知事は先月、県内のサッカー強豪校に触れ、「ボールを蹴るのが一番重要なこと。勉強よりも何よりも」などと述べ、県議会から「不適切だ」と苦言を呈されていた。

 

赤字部分がマスコミの解釈や別の件を貼り付けたもの

時間の経過とともに職業差別という言葉を使うようになった

 

読売新聞(4月2日)

静岡県の川勝平太知事(75)は2日、前日の訓示で特定の職業を差別するともとれる発言をしたことを受け、「6月県議会をもって職を辞そうと思う」と述べ、辞職する意向を表明した。

朝日新聞(4月2日)

静岡県の川勝平太知事(75)が1日に県庁であった新規採用職員に対する訓示で、特定の職業に携わる人などへの差別とも受け止められかねない発言をした。

産経新聞(4月2日)

静岡県の川勝平太知事が1日、静岡県庁で行われた新規採用職員向けの訓示で、特定の職業差別とも受け取れる発言をし、物議を醸している。

毎日新聞(4月2日)

静岡県の川勝平太知事が1日に行われた県の新規採用職員への訓示で「県庁はシンクタンク。野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性の高い人たち」と発言したことが2日、県への取材で分かった。職業差別発言と捉えられかねず、波紋を呼びそうだ。

NHK静岡(4月2日)

静岡県の川勝知事が新人職員への訓示の中で、「毎日野菜を売ったり、牛の世話をする仕事とは違い皆さんは知性が高い」などと発言し、職業差別とも捉えられかねないとして、県には、批判や苦情の電話やメールなどが相次いでいます。

時事通信(4月3日)

静岡県の川勝平太知事(75)は3日、記者会見を開き、新規採用職員への訓示で職業差別と捉えられかねない発言をしたことに関し「私の不十分な言葉遣いによって人の心に傷を付けた」と謝罪した。

 

切り取り

①不要な部分を除去する→カット

②必要な部分を残し、不要な部分を除去する→トリミング

切り抜き(切り取り)&貼り付け

①必要な部分を切り抜き、それらを編集して貼り付ける

効果

必要な部分のみに注目させることができるので、よりインパクトを与えることができます。

 

多くのマスコミの構成は過去のことから自分が描く論調に沿った部分を切り抜いて、それらを貼り付けて一つの出来事(事実)のように錯覚させて報道することによりインパクトを強くさせるという手段をとっている。

 

☆工業・農業の出荷額はトップクラス!

農芸品を自慢げにPRする姿に川勝知事が一次産業を見下す意識があったとは思えないのだが・・・

 

 

☆地産地消にも先進的に取り組んでいた

 

 

☆マスコミは切り取らなければ記事を書けない

訓示全文のうち1.8%の部分を切り取って川勝知事が失言だとして報道している。

当然、全文を報道することは不可能であることから、切り取って報道することは当然だが、切り取りではないとするマスコミの解釈は身勝手だと言えます。

 

発言の文脈とは異なる意味で引用して、特定人の権利を侵害するような内容で報道した場合、引用した側に民事上・刑事上の責任が発生する可能性が出てきてしまいます。

よって、発言の切り取りをする場合には、その文脈に沿った内容で引用する必要があります。

ネット社会では、発言の一部だけが切り取られ、それがすべてのように展開され、発言者が断罪されることも珍しくありません。

都合よく切り取って、都合よく解釈を付けて、拡散したりすることはマスコミの世界でも同様で、報道の自由、特権階級だと錯覚する様は好ましくはありません。

 

杉本牧之原市長は記者会見で、

リニアは国家プロジェクトであるし、国も3.5兆円の財政投融資をしている中で、それを7年止めたとなると犯罪じゃないかと思うと発言した。

「リニアに反対するものは犯罪者である」ともとれる問題発言をした。

しかし、マスコミはこの問題発言を追求しなかった。

 

一方、川勝知事が新規採用職員への訓示で職業差別ともとれる発言をしたことについて、坂本農林水産大臣は強い憤りを感じると批判しました。

農水大臣は農業用水に使われる大井川の水を守るべき立場の人である。

農民の立場に立ってきた川勝行政を知っていればこんな発言には繋がらなかったであろう・・・

 

記者たちが、知事訓示の中から、不用意発言が出てくることを待ち構えていたことは容易に想像がつく。

 

読売新聞の記事は切っ掛けであったが、マスコミ各社は競い合って記事を書くことで、川勝知事は農業などの一次産業者を見下す者だとのイメージを植え付ける効果を発揮した。

結果的に、「リニアを推進するためには川勝知事を辞めさせろ」という声に貢献したことになる。