国交省有識者会議は7日、報告書を取りまとめ斉藤国交大臣に提出した。
国交省ホームページ
テレビ静岡
【リニア】有識者会議が報告書まとめる 「極めて遺憾」との文書出した川勝知事は取材に無言貫く 静岡 (msn.com)
静岡朝日テレビ
【リニア】国の有識者会議の報告書 国土交通大臣に提出 川勝知事は「極めて遺憾」(静岡朝日テレビ) - Yahoo!ニュース
SBSテレビ
リニア中央新幹線 国の有識者会議が「環境保全」の報告書を国土交通大臣へ 議論の結論が出たことにJR東海や静岡県の川勝知事は(静岡放送(SBS)) - Yahoo!ニュース
外堀が埋められつつある川勝知事 次の動きは? リニア工事の環境保全で国交大臣とJR東海社長が面会 環境省も国交省に同調 それでも着地点は見えず=静岡(静岡放送(SBS)) - Yahoo!ニュース
静岡第一テレビ
【リニア】川勝知事は「議論が不十分」と反発 国の有識者会議が“環境保全”に関する報告書を大臣に提出 静岡工区着工への見通しは不透明なまま(静岡県) - YouTube
共同通信
JR東海に環境保全要請へ リニア静岡工区で国交相(共同通信) - Yahoo!ニュース
時事通信
環境保全、JRに対策要請 リニア静岡工区で報告書 国交省会議(時事通信) - Yahoo!ニュース
静岡新聞
☆公開されている国交省ホームページ
リニア中央新幹線静岡工区に関する報告書(令和5年報告) ~環境保全に関する検討~ 概要
1.環境保全に関する議論の経過
(1)環境保全有識者会議について
(2)ヒアリング等を通じた環境保全に関する論点の整理 2.トンネル掘削による南アルプスの環境への影響と対策
・生物への影響の前に変化する物理的環境等に着目してモニタリングを行うことで、迅速な保全措置の実施及 びそのエリアの生態系全体に与える影響の最小化を目指すこととする。 2.1 トンネル掘削に伴う地下水位変化による沢の水生生物等への影響と対策
(1)影響の予測
・35の沢*1のうち、主要な断層とトンネルが交差する箇所の周辺の沢において、流量が減少する傾向が確 認され、その他の沢については、流量変化の傾向は確認されなかった。
・重点的にモニタリングを実施する11の沢を選定した。
(2)保全措置、モニタリング
・高速長尺先進ボーリングの結果等を踏まえ、流量減少を低減するため、断層とトンネルが交差する箇所及 びその周辺地山に対して事前に薬液注入を行うこととした。
・トンネル掘削前、掘削中、掘削完了後のそれぞれの段階について、35の沢のモニタリング計画及び環境 保全措置(回避
・低減措置等)を整理し、これらに基づき、降水量を計測しつつ、継続してセグメント (河道区間)スケール*2 の沢の地形(伏流区間の割合)の調査、沢の流量、水温、水質の計測を行い、重 要種の生息・生育状況の現地調査、水生生物の詳細調査を実施することとした。
・重点的なモニタリングを実施する沢については、リーチ(蛇行区間)スケール*3の生息・生育場(河川形 態、伏流状況、水位等)や、流量変化に影響を受けやすいと考えられる生物の生息状況の現地調査も実施 することとした。
・環境保全措置及びモニタリング計画は、事前の予測に基づくものであることを考慮し、高速長尺先進ボー リングの結果や沢のモニタリングの状況等を踏まえ、必要な見直しを行うこととした。
2.2 トンネル掘削に伴う地下水位変化による高標高部の植生への影響と対策
(1)影響の予測・評価 ・高標高部の植生への水分の主な供給経路は、地下深部の地下水ではないと考えられ、トンネル掘削に伴う 地下深部の地下水位変化によって、高標高部の植生には影響が及ばないと考えられる。
(2)モニタリング ・掘削中及び掘削後も含めて現地の植生の状況等を継続してモニタリングすることとした。
*1 環境影響評価手続きの中でトンネル掘削工事により影響が生じる可能性があると想定された範囲の沢のうち、作業員の安全性や現地の環境を考慮のうえ選定。
*2 セグメント(河道区間)スケール:流路幅×103~102程度の流路長の空間スケール。日本の場合は平均河床勾配が同一な区間として定義される場合が多い。
*3 リーチ(蛇行区間)スケール: 流路幅×101程度の流路長の空間スケール。0.5~1蛇行区間。
2.3 地上部分の改変箇所における環境への影響と対策 (1)作業ヤードから大井川等へ放流するトンネル湧水等による環境への影響と対策
・水質について、条例の基準よりも厳しい基準等で管理し、更に濁りを低減するため、沈砂池を経由させる などの保全措置を講じ、将来にわたって継続してモニタリングを行うこととした。
・水温について、水温変化の回避・低減措置等を講じることとし、沈砂池での曝気による冷却、湧水と積雪 の混合による冷却等を行うこととし、将来にわたって継続してモニタリングを行うこととした。
(2)発生土置き場による環境への影響と対策
・自然由来の重金属等を含む要対策土置き場について、「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土 壌への対応マニュアル」(国土交通省)に基づき、二重遮水シートによる封じ込め処理を実施することと した。
・無対策土置き場の護岸については、河川との離隔を十分に確保した上で、100年確率の流量が大井川で 流れた際の水位の高さを考慮した設計とし、鋼製枠で通水性を確保する構造とすることとした。
・発生土置き場等の地上部分においては、南アルプスの植生を考慮した緑化などに取り組んでいくこととし た。
・排水設備については、100年確率降雨強度に2割の余裕を見込んだ設計とした。
3.まとめと今後に向けた提言
・トンネル掘削前にベースラインデータを収集し、工事前の自然環境を踏まえた上で、論点ごとに、影響の予 測
・分析・評価、保全措置、モニタリングのそれぞれの段階で実施すべき事項を予防的に行い、結果を各段 階にフィードバックし、必要な見直しを行う、いわゆる『順応的管理』で対応することにより、トンネル掘 削に伴う環境への影響を最小化することが適切。
・トンネル掘削に伴う環境への影響を最小化するためには、高速長尺先進ボーリング等で断層の位置や地質、 湧水量を把握し、その科学的データに基づき、断層とトンネルが交差する箇所及びその周辺地山に対して事 前に薬液注入を行うことで、トンネル湧水量を低減することが重要。
・管理流量等の範囲を逸脱するような事象が発生した場合は、躊躇なく工事の進め方を見直すことが必要であ り、科学的・客観的に対応策を検討し、関係者間で連携して対応することが重要。
・国は、科学的・客観的な観点から、環境保全措置、モニタリング等の対策が着実に実行されているか等につ いて、継続的に確認することを検討するべき。
・JR東海は、環境保全措置やモニタリング等の対策に全力で取り組むと共に、地域の関係者との双方向のコ ミュニケーションを十分に図ることが重要であり、南アルプスの環境保全の様々な取組みに積極的に貢献することが期待される。
PowerPoint プレゼンテーション (mlit.go.jp)
アラカンおじさんのコメント
リニア中央新幹線静岡工区について、これまで静岡県とJR東海との間で行われてきた議 論等を科学的・工学的に検証し、その結果を踏まえて今後のJR東海の工事に対して具体 的な助言、指導等を行っていくための、「リニア中央新幹線静岡工区有識者会議」を開催し ます。
令 和 2 年 4 月 2 4 日 鉄道局施設課環境対策室
これは第1回国交省有識者会議の目的であり、冒頭に記載されている一丁目一番地である。
最近のメデイアはこのことを忘れ、有識者会議が担っているのは行司役だと悪びれもせず堂々とフェイク記事を流し続けている。
今回の報告書には
特に記述がない限り、対策を講じる主体は建設主体であるJR東海である。・・・と記載されている。
従って、リニア中央新幹線の静岡工区が混迷している最大の理由は事実を伝えず、勝手に過去の出来事を切り取って勝手な解釈で編集し、真実の如く伝えるマスコミにも大きな責任があるともいえる。
今回の件で、簡素に事実だけを伝える共同通信や時事通信の姿勢の方が物足らなく感じる人もいるだろうが真面なマスコミと言えるだろう・・・
もし、川勝知事の反応を伝えたいのであれば過去のことを切り貼りして伝えるのではなく時系列に整理して、報告書の出された後の国交省や、JR東海、静岡県、静岡市などの対応(反応)として伝えるべきである。
環境影響評価準備書(新幹線は全て対象)
環境アセスメントの結果を伝えるものです。
・関係都道府県知事に対し、準備書に対する意見を求めることとしているのは、地域の環境保全に関する事務を所掌する関係都道府県知事及び関係市町村長の意見は、事業者が手続を進める過程において公害の防止等の配慮を行う上で重要なものであるからである。
・関係市町村長の意見については、閣議アセスの対象事業が、大規模で広域にわたること、関係都道府県知事は地域の環境保全の要であり、関係市町村長の意見を踏まえた広域的見地からの意見が期待できること等から、関係都道府県知事に対して述べることとされている。
環境アセスについては法的に上記のように決められている。
このところテレビなどで、やたらと難波静岡市長の主張が尤もらしく報道されている。
これは明らかに間違っている。
静岡市長が意見を言えるのは県知事に対してである。
マスコミの報道では市長と知事は同格、或いは市長の方が上位者のごとき扱いは誤解を招く。
さて、今回の報告書を見れば不足なところはあるものの、真面に纏められていると言えるだろう。
従って、ステージは国交省有識者会議から静岡県の専門部会に移ったことになり、解決に向かって前進したことになる。
専門部会でJR東海の対応が委員から認められれば、関係者に伝えられ、合意を確認して対策本部長(森副知事)が工事着工を認めることで決着する段取りである。
この流れを妨げているのが小林一哉氏の過激な主張を尤もらしく伝える多くの雑誌や、その影響を受ける一部のマスコミや政治家たちである。
付け加えておくが、先般環境大臣の会見が報道された。
一部のマスコミは外堀が埋められつつあると大坂の陣に絡め、幼稚な見出しで報道している。
しかし、国の組織は縦割り行政が際立っている。
国交省鉄道局の案件に求められてもいないのに環境省が意見するわけがないことは容易に想像がつく。
しかし、この会見が全く無駄なのかということでもない。
この会見によって、南アルプスに重大な影響が出た場合には環境省もその責任を担うことが担保されたことになる。
大井川の所管部署・国交省国土保全水管理局も同様である。
マスコミは横槍を入れて物事を複雑化させないで欲しい。
リニア中央新幹線工事着工はそれほど難しいものではない。
リニア中央新幹線は静岡県民にもデメリットよりメリットの多い事業であることを証明すればよい。
その為にはメデイアの協力も必要となる。