リニア中央新幹線の大井川水問題を協議する静岡県有識者会議の地質構造・水資源専門部会が20日、県庁で開かれた。

 

 

静岡新聞3月21日朝刊

 

アラカンおじさんのコメント

3月20日には大井川利水関係協議会が開かれて田代ダム取水抑制案に一定の見通しが立つものと思っていたが、急遽20日に開催されたのは専門家会議だった。

今回の会議で協議されたのは

①田代ダム取水抑制案へのJR東海の取り組み

②高速長尺先進ボーリングの是非

両問題は微妙に絡んでいるので切り離した検討は難しい。

 

JR東海が東電との協議の前提として

①水利権に影響を与えないこと

②方策の実施は工事期間中に限定

 

この条件を認めない場合、協議は難しいとした。

JR東海の示す前提条件は一見分かりやすいようだがよくよく見てみればそのハードルは高い…

 

要するに、卵と鶏の関係に陥ってしまっている。

 

そもそも、JR東海が水利権について発言することは可笑しいし、工事期間についても定まっていない。

JR東海は高速長尺先進ボーリングの湧水も計量して戻すと発言しているからボーリングを含む5年以上とも読み取れるし、従来から説明してきた先進坑の接続期間の10ヵ月ともいえる。

これをもって、「協議の前提条件として認めよ」とすれば、27日に予定される大井川利水関係協議会でもJR東海の望む結論を得るのはかなり難しい・・・?

そもそも、高速長尺先進ボーリグそのものが、東京電力との協議の妨げになっているように感じてしまう。

 

本来であれば、JR東海は白紙の状態で東京電力と協議して合意した内容を大井川利水関係協議会で了解を得て、県の専門家会議で合意された内容で国交省や東京電力の参加する水利権を調整・協議する組織である大井川水利流量調整協議会で最終決着するのがルールであり望ましい。