空港駅調査費、見送りへ 静岡県、成果出ず判断 20年度予算案

(2020/1/25 08:33) 静岡新聞
 静岡空港の新幹線新駅設置構想を巡り、静岡県が毎年度予算計上していた調査費について、2020年度当初予算案に計上を見送る方針を固めたことが24日、関係者への取材で分かった。県は新駅の必要性を認めながらも、長年、具体的な成果が出ていない実情を踏まえて判断したという。
 県は14~19年度に6年連続で調査費を計上し、18年度までの5年間では計約4千万円を執行した。19年度当初予算にも500万円を盛り、新駅設置で期待される利用者の利便性向上などの検討を進めている。新駅の効果や価値に関するデータをそろえることで構想の具体化につなげる狙いで、新駅ができた場合の新幹線の運行パターンを独自に検証していた。
 県の担当者は取材に、県が独自にできる調査は現時点でおおむね終わったとの認識を示し「新駅設置を諦めるのではなく、お金をかけないで地元との意見交換などを進めていく」と述べた。
 一方でJR東海は新駅について「造らない」と否定的な姿勢を貫いていて、県はこの問題で一度もJR側と協議できていない。県は16年度当初予算にJR側との協議が進展した場合に備えて予備費10億円を計上したが、成果はなく、2月補正で全額を減額修正した経緯もある。
 県議会最大会派自民改革会議の県議からもこれまで「だらだらと調査費を付けるべきではない」と見直しを求める声があった。県議の1人は「予算計上の見送りは、リニア中央新幹線の問題で県が新駅を取引材料と考えていると受け取られるのを嫌ったのでは」との見方を示した。
 
当ブログのコメント

 

静岡空港の直下を通る東海道新幹線に新駅を作る構想は静岡空港開港の20年前に遡る。

建設大臣を務めた斎藤元知事が静岡空港建設に合わせ提案したものでありその後、石川元知事、川勝現知事と歴代の静岡県知事に引き継がれてきた。

JR東海の元社長や国土交通省交通政策審議会も、リニア開通後の新幹線新駅の可能性は否定されていない。

・・・というよりも、リニア推進のための手段として使ってきた可能性さえ伺える。

JR東海は静岡空港駅を否定しつつも、チラッ・チラッとその可能性があるような雰囲気だけはかき消してこなかった。

時には国策、時には民間企業と二枚舌を使ってきたその姿勢が、静岡県民との信頼関係が築けず、リニア問題で苦労している。

静岡空港、大井川流域、浜岡原発は地域的に重なる。

走行時、新幹線の3倍、加速時には20倍の電力を必要とするリニアのために浜岡原発を再稼働することには地元は納得しない。

さらに言えば新幹線静岡空港駅も地元民は利用しないのであるから大井川水問題の代償とはならない。

地元民が望むのは新幹線駅ではなく東海道線からの乗り入れ、及び快速電車の代替となるホームライナーの延長・増便である。

具体的には浜松(豊橋)~熱海間の朝夕それぞれ3往復である。

のぞみの増加で不便になった新幹線の補償の意味合いもある。

東海道新幹線空港駅を諦め、方向変換した方が良さそうである。

JR東海に空港駅を作る気持ちが少しでもあったなら一回ぐらいの協議は実現できたはずである・・・

リニア新幹線の大井川水問題は問題点を解決するまで主張すべきである。