ニュースではないが、静岡新聞にリニア沿線5紙の連携記事が記載されていたので、他県の様子を知る機会が少なく、参考になることからご紹介したい。
JR東海がリニア中央新幹線の2027年開業断念を表明し、34年以降開業の見通しとなる中、沿線各地でさまざまな動きが出ている。
①静岡県(静岡新聞)
事業前進へ積極姿勢
鈴木知事「功遅より拙速」
リニア中央新幹線工事の着手に慎重だった川勝平太知事の辞任に伴う5月の知事選で鈴木康友知事が誕生し、リニア工事を巡る静岡県の状況は大きく変わった。
②岐阜県(岐阜新聞)
岐阜・水源の水位低下
JRの誠実対応不可欠
工事中断住民と溝深く
リニア中央新幹線の日吉トンネル掘削工事が進む岐阜県瑞浪市大湫町で水道の共同水源や井戸などの水位低下の問題が5月に発覚し、工事の中断が2カ月近く続いている。
③山梨県(山梨日日新聞)
山梨実験線延伸で水枯れ
井戸管理費用残る不安
補償30年方針協議続く
山梨県内では、2008~13年に実施された山梨リニア実験線の延伸工事により、上野原、大月、笛吹3市の計4地域で水源の枯渇や河川の水枯れが起きた。
④長野県(信濃毎日新聞)
長野・長引く工事住民に負担
住宅移転も駅完成遅れ
地域振興先行き不安
「今から10年以上かかるのであれば、あんなに早く移転しなくてもよかったのではないか」今月9日、長野県飯田市で開いた「リニア中央新幹線建設促進県協議会」佐藤健市長が住民の思いを代弁し、強い口調でJR東海の関係者に迫った。
⑤神奈川県(神奈川新聞)
神奈川・最も工事進む
新駅周辺開業へ高揚感
夢の影生まれる犠牲も
「現代版・夢の超特急」とも称されるリニア中央新幹線。新駅の建設が進む神奈川県相模原市緑区の橋本駅周辺では開業を見据えたまちづくりが動き出す反面、大規模事業が住民の暮らしに影を落とす。
☆アラカンおじさんのコメント
テレビや全国紙が「静岡で工事に着手できないので開業の見通しが立たない」と報道したことから静岡悪玉論が全国的に広がっていった。
この報道はJR東海の発言を疑う(訂正する)こともなくそのまま報道した結果なのだが・・・
JR東海の発言は間違っていない。
しかし、一部が正しいから全体も正しいという錯覚に陥る。
よって、静岡以外の県での理由でも開業が遅れているというもう一方の事実が消されてしまった。
否、マスコミは承知の上で「報道しない自由」を逆手にとって報道を避けてきた側面の方が大きい。
俗にいうところの表に出せない大人の理由ということだろう
そんな中、リニア沿線の地方紙がそれぞれの自県の暗部(問題点)を報道する価値は大きい。