2025年もリニア中央新幹線について多くの記事を書いてきました。

1年間を振り返り、今後の成り行きを予想してみます。

 

今年最初の記事は

☆リニア「静岡工区の見通しは?必然的に山梨工区完成は静岡工区完成の後」(2025.01.06)

東京新聞の2027年完成を遅れる工区が18工区あると報じた記事を引用し、静岡県に苦言を呈していた古屋圭司議員や大村愛知県知事、黒岩神奈川県知事等の発言も影を潜め、小林一哉氏や小倉健一氏を初めホリエモン、高橋洋一氏、ひろゆき氏などの静岡(川勝知事)悪玉論の主張も根拠を失ってくるのが2025年であろうと予想しています。

筆者の想定する開業時期は静岡工区の完成が20年後、その後開業までに数年程度要することから早くても2045年ごろの開業と推定できる。

因みに、これでもJR東海が公表している2034年以降に該当している。・・・と纏めて投稿している。

 

☆リニア「JR東海社長が鈴木知事と会談」会談は非公開そして進む分断 (2025.02.02)

JR東海の丹羽俊介社長は30日、静岡県庁で鈴木康友知事と面会し、リニア中央新幹線の品川―名古屋間開業後、東海道新幹線静岡、浜松両駅の「ひかり」停車回数を現在のおよそ1時間1本から2本に増やす方針を表明した。

鈴木知事は「相当踏み込んだ内容。県内に大きな経済波及効果がある」と歓迎した。…とするメデイア報道に

川勝知事時代には会談は 全面公開 が原則だったが、鈴木知事に代わり会談は 非公開が原則 になったと言えるだろう。

リニアのメリットとして静岡駅及び浜松駅のひかり停車本数を増やすと公表することで、静岡県民の視線を水問題から反らそう とする企みであり、マスコミ等を巻き込んだ誤導であるとも言える。・・・とJR東海と県の姿勢を批判し、静岡や浜松など大井川の水を使わない地域と水を利用する流域の分断が顕著化される可能性を秘めている。・・・とメデイアの報道を含めた指摘を投稿しています。

 

☆リニア「静岡県地質構造・水資源部会開催」山梨工区先進坑は県境60mで中断 (2025.03.13)

静岡県の有識者会議で、「山梨工区の先進坑掘削を県境60mで中断し、静岡県内へのボーリング調査に移行する」とする

とし、ここからコア採取をした後、高速長尺先進ボーリングを進め、恒久的な止水を行う観点で先進坑の掘削位置を検討する・・・とするJR東海の施工計画を投稿しています。

 

☆リニア「地元説明会は有意義だった」 (2025.04.27)

当ブログでも取り上げた質問項目にJR東海の担当者は真摯に対応していただき有意義な説明会でした。・・・と大井川流域説明会最後の袋井会場参加の様子を記事にしました。

担当者の説明の中で、JR東海の本意ではないことがマスコミ報道には含まれているということが実感できました。

メデイアには「報道してください」「報道しないでください」とは言えないことから、メデイアの都合や解釈として事実ではないことも伝わっていくと言うことのようです。

例えばリニアの開業時期についてJR東海の公式見解は「27年度以降の開業」であり、静岡工区が未だ着工できていないことや静岡工区の工事が10年以上かかることからメデイアは「開業時期は34年以降」「開業時期は37年以降」と解釈して報道したことが独り歩きしているとのことです。

実際には37年以降となる可能性が高いことから間違いとは言えないがJR東海が公表したことではないようです。

現在のJR東海のホームページにも「開業時期は27年以降」と記載されているようです。・・・と感想を投稿しています。

 

☆リニア「大井川利水関係協議会で了承」 (2025.05.30)

会議はYouTubeでライブ配信することなく非公開だった。

利水協は県の専門部会で合意したリスク管理をJR東海に求めたうえで、県境60m付近で中断する先進坑からの静岡県内へのボーリング調査を了承した。

山梨県内の工事でも本県由来の水資源が減少した場合の回復措置として、田代ダムの取水抑制案の対象範囲とした。・・・とする大井川流域8市2町と利水団体、静岡県で構成する大井川利水関係協議会が27日に開催されたことを投稿した。

 

☆リニア「期成同盟会」古屋議員が変われば瑞浪市の地盤沈下&水枯れ問題も解決に進む (2025.06.01)

リニア中央新幹線建設促進期成同盟会総会に来賓で出席した自民党古屋圭司議員は「リーダーが一人変わればこれだけ変わると言う象徴」とすでに辞任している川勝前静岡県知事を皮肉たっぷりに批判した。

古屋議員の地元岐阜県瑞浪市のトンネル工事で井戸水の水位低下や地盤沈下が起きているが今もって解決されていない。

古屋議員は進まない静岡工区について静岡県(県民)に「小異を捨てて大同につけ」と批判していた。

同様に瑞浪市の住民にも「リニアの為にはあんた等も諦めなさい」ということであろうか・・・?

 

 

 

今日の一曲 ♪

渡良瀬橋(森高千里)

テレビ東京系の旅番組「いい旅・夢気分」のエンディングテーマ用に作られた曲です。

独特な歌い方と曲の内容には個性が強く出ています。

森高さんの曲は自ら作詞したものが多く、シンガーソングライターの先駆けとも言えるでしょう。

 

 

 

 

リニア中央新幹線の静岡県内工事の差し止めを求めた訴訟の口頭弁論で原告側証人として出廷した大塚正幸氏がJR東海が示している湧水低減対策について、「南アルプスは日本有数の断層帯であり、高い水圧を伴う地下水が豊富に蓄えられている。50気圧と推定した水圧が掛かる状態では湧水を止めるための薬液注入は技術的に困難で、吹付けコンクリートや防水シートなどの施策では湧水を止めることはできない」と指摘した。トンネル掘削の原則は水を抜いてから掘ることで、水を抜くための穴を掘るなどの対応が必要になると説いた。

 

 

 

これを補足するような形で県専門部会委員である塩坂邦雄氏が「大井川源流部の水枯れのメカニズム」についてYouTubeで解説している。

 

 

動画の中で筆者(アラカンおじさん)が注目した部分を抜き出してみた。

・断層帯の水は断層粘土があることで水を止めている

・破砕帯には2~3万年前の被圧地下水が溜まっている

・NATMでは火薬を使うので水を抜かなければ工事できない

・全ての断層に水が溜まっているわけではない

・付加体では砂岩に比べてチャートが大きく褶曲する

・地下水は表層部分と断層の破砕帯に溜まっている

・地下水が深い部分全てに溜まっているわけではない

・山梨工区で水が出ないのは当然

・透水試験の結果が出ると今までの議論がひっくり返る

・滝のあるところには殆ど断層がある

・渓流より高いところから被圧地下水が出ている

・工事で水を抜くと冬に水が出なくなり沢の水が枯れる

 

来年には、静岡県はヤード増設を認めるだろう、けれどもJR東海にはこの先、イバラの道が待ち構えているだろう・・・

 

 

今日の一曲 ♪

寒い朝(吉永小百合&和田弘とマヒナスターズ)

1962年発売の「寒い朝」は日活映画「赤い蕾と白い花」の主題歌、自分もレコードを買って聞いていました。

 

 

 

 

大井川の水量減少を危惧した流域住民らがリニア中央新幹線の工事差し止めを求めている訴訟で、トンネル工事に長年従事してきた技術士の大塚正幸氏(東京都)が原告側証人として出廷し、JR東海が示している湧水低減対策について意見を述べた。

 

 

静岡新聞

 

毎日新聞

 

リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事を巡り、県内の住民らが静岡工区の工事差し止めをJR東海に求めた訴訟の第20回口頭弁論が19日、静岡地裁であった。原告側の証人尋問があり、トンネル技術士の大塚正幸さん(85)が出廷。JR側が想定している対策ではトンネル湧水を止めることができないと指摘した。

「対策 湧水止められず」 リニア工事訴訟 JR東海側に指摘(中日新聞Web)|dメニューニュース(NTTドコモ)

 

☆アラカンおじさんのコメント

静岡新聞、毎日新聞は有料会員限定の記事だが、中日新聞Webの記事が読むことができます。

 

静岡新聞の記事(12月20日朝刊)の要旨は

県内区間の工事差し止めを求めた訴訟の第20回口頭弁論が19日、静岡地裁であった。

トンネル工事に長年従事してきた大塚正幸氏が原告側証人として出廷し、JR東海が示している湧水低減対策について意見を述べた。

日本有数の断層帯であり、高い水圧を伴う地下水が豊富に蓄えられている。

50気圧と推定した水圧が掛かる状態では湧水を止めるための薬液注入は技術的に困難との認識を示し、吹付けコンクリートや防水シートなどの施策では湧水を止めることはできないと指摘した。

トンネル掘削の原則は水を抜いてから掘ることで、本坑脇に水を抜くための穴を掘るなどの対応が必要になると説いた。

 

中央新幹線南アルプストンネルは「今の技術では掘ってみなければどうなるかは分からない」ということである。

従って、裁判で争って白黒を決着させることは裁判官にとって難しすぎて適切ではないと考えている。

仮に重大な状態に発展しても想定できなかったことになる。

一般的には工事差し止めの提訴は棄却されるであろう・・・

しかし、見かけ上JR東海が勝利したしても、その後のJR東海にはイバラの道が待ち構えていることは容易に想像がつく。

 

筆者(アラカンおじさん)は静岡県の専門部会で委員が「薬液注入しかない」とした発言を、薬液注入で効果が出なかったらトンネル掘削はお手上げだと解釈し、次のような記事を投稿している。

 

 

このような解釈で報じたマスコミは見当たらなかった。

多くのマスコミは南アルプストンネルがJR東海の思惑通り完成するがごとき報道を続けている。