レンタル落ちDVDで100円で購入、安いっしょ~。
ジョン・フォード監督の作品で、「駅馬車」と対極するヒューマンドラマですね、個人的な感想としては、「駅馬車」より面白いかな、と。
19世紀末(産業革命時代)の英国ウェールズ地方の炭坑町を舞台にした物語ですが、石炭産業の不況の中の逼迫した生活が描かれていますね。
南ウェールズ炭田の石炭資源は、イギリス重工業の重要な一翼を担っている訳ですが、これらの工業は、石炭や鉄鉱石の得やすい山間の谷あいに発達していった、との事。
「わが谷は緑なりき」というタイトルは、炭坑町の煙が夥しく排出される映像に対するアイロニー、なんだと思いますね。
因みに、地元の日立市の鉱山会社、日立鉱山の煙害(亜硫酸ガス)を題材にした「ある町の高い煙突」という映画もあるんですよ。
「わが谷は緑なりき」の方は、大気汚染や環境問題に関しては、ノータッチですね。
まぁ、私の家の中(室内)の場合は、家の外側からでは無く、家の内側から原因不明の空気汚染の被害を受けてるんですけどね。
環境問題とは、また別の問題ですけどね。
「わが谷は緑なりき」は、イギリスが舞台ですが、映画の製作はアメリカですね。
理想の人間関係を通した、如何にもアメリカ的な勧善懲悪のヒューマンドラマなんだよね。
幼少の頃は、名作劇場のアニメ、大人になってからは「北の国から」などを観て、理想の人間関係とは何か、と私は色々と考えてきたと思うんですよ。
今、知命になり、「わが谷は緑なりき」を観て、私もそれなりに考慮する処がありますね。
凍りつく池に落ちて歩けなくなったヒュー少年が、牧師の鞭撻で再び歩けるようになるシーンは、「アルプスの少女ハイジ」のクララを想起しますね。
乃至、同級生に苛められ愚弄されているヒュー少年が、ボクシングを教わり苛めっ子を打ちのめすシーンは、相当なカタルシスがあるんだよなぁ。
この映画のように子供に対して「やられたら、やり返せ」みたいな事を言う父親は、今時、稀有な存在なんだろうなぁ。
そして、炭坑の仕事は命がけの仕事であり、この映画の中でも、泰斗の長兄、父親の二人が事故により永訣している、というね。
炭坑町の人々は、炭坑の仕事に矜持があるからこそ、一生、洞窟の中で危険と背中合わせで、働けるんだと思いますよ。
労働能力があるのに福祉制度に頼ったり、国や悪の組織から金を受け取り悪事を行うような陋劣な人々には、爪の垢を煎じて飲ませたい処だよなぁ。
「わが谷は緑なりき」、この映画、人生に疲労困憊して、心が乾いている時に清涼飲料水の役割を果たし、今後、繰り返して観るようになるかもしれませぬ。
(2025/9/19)