autechre(オウテカ)

オウテカのアルバムで、私が所持しているのは、「tri repetae.(トライ・レペテー)」、「Confield(コンフィールド)」の2枚ですね。
トライ・レペテーは、96年位に東海村にあったBeamsというCDショップで購入したのを憶えていますね。
上記2枚のアルバムは、野田努のライナーノーツですね。
テクノで言えば、エイフェックス・ツイン、スクエアプッシャー、ボーズオブカナダ等、私が好きなアーティストは、野田努のライナーノーツが多いですね。
まぁ、野田努のライナーノーツの守備範囲は、テクノ、パンク、クラウトロック辺りですかね。
野球で言えば、6番ライトみたいなポジションですね、音楽評論家としてね。
久し振りにライナーノーツを読み返してみると、テクノでは95年位にジャンルのクロスオーヴァー化の動きがあった、という事。
僭越ながら、私は90年代と00年代のテクノ・エレクトロニカに関して、少し位は、経緯を知っている人間だと思うんですよ。
オウテカのテクノとヒップホップのクロスオーヴァー化の流れやブレイクビーツの流れはリアルタイムで知っているし、後追いで中古CDを購入して、色々と調べて知識を吸収したりしてましたね。
そして、90年代の四角い雑誌のエレキングも、00年代後半になってから、古本で集めて読んでましたね。
まぁ、そういった知識があった為に、2010年以降のWeb版ele-kingの文章を、多少は理解し易くなったのは確かでしょうね。
基本的には、テクノだけではなく、ロック、ヒップホップ、R&B、ジャズ、ワールドミュージック、クラシック、現代音楽とあらゆる音楽ジャンルを知悉していないと、Web版エレキングの文章を完全に理解して読むのは、難儀だと思われますね。
つまり、Web版エレキングの読者の音楽の知識レベルは、かなり高いと思うのですが、どうなんでしょうか。(インテリじゃね?)
私は、元々、音楽を夥しい量で聴くリスナーで、07~08年位に、ノンジャンルスタイルという音楽ブログを作り、ジャンルを問わずに音楽を聴くようになりましたが、それでもWeb版エレキングに書かれている音楽知識を把握するのは、かなり難しい事でしたね。
因みに、当時、ヤフーブログの「シカゴ音響派を聴きながら」にコメントして、色々と私に音楽知識を教えていたskksは、ヤフーブログの音楽カテゴリーの中では、最も音楽に詳しかった人間だと思いますよ。(上げてますよ。)

そして、Web版エレキングについて詳細に遡及していくと、当時、2010年以降のWeb版エレキングのハイレベルな内容の文章を読んだ時は、西川きよしのように瞠目したのを憶えていますね。
音楽の話だけではなく、アートや哲学や現代思想の話も、レビューやコラムに盛り込んで来ますからね。
90年代後半の雑誌エレキングは、そんなに難しい内容では無かったと思うんですけどね。
私も、NHKの「ニッポンのジレンマ」という番組のファンでもあるし、元々、少し位は、哲学や現代思想に興味があるタイプの人間なんですけどね。
それでも、Web版エレキングの文章は、難易度が高すぎると感じていましたね。
それにしても、タイミングとしての問題ですが、2010年以降のWeb版エレキングと私が、コール&レスポンスというか、シンクロしている感じがするのは、否めない事実だと思うんですけどね。
例を挙げれば、私が、ヤフーブログのプロフィール欄で、好きな音楽の欄に戸川純と記したら、その後に、エレキングで水越真紀が「戸川純が伝える「思いの伝わらなさ」」というコラムを掲載していましたね。
その頃は、私のヤフーブログ(All Up-Side Down)で、HNそふとまし~ん等、私に色々と絡んでくる連中が居て、ブログが険悪な雰囲気になっていた時期なんですけどね。
(そういえば、バナナマンの日村も、その辺りの時期にお笑い番組でtrfの真似をして、「伝わらない想い」といった感じの歌詞を、歌ってたんだよなぁ。)
話が長くなるので、この話は、この辺でストップしますね。

脱線した話を元に戻して、オウテカの話ですが、95年位というと、DJ Krushの「Strictly Turntablized」が94年発表だし、アブストラクトヒップホップやトリップホップが流行していた頃なんだよね。
95年位になると、92年位のテクノ黄金期のような四つ打ちテクノは、流行してなかったですね。
しかし、そもそも日本では、95年位に、ソニテクキャンペーンなどがあって、輸入盤以外でも海外のテクノが聴けるようになった頃なんですよ。
だから、当時の熱心なテクノリスナーは、最先端のテクノを聴いているというよりは、後追い感が強かったと思いますよ。
95年当時のその耳で聴くオウテカの音楽は、そういった意味では、理解しにくい感覚だったんじゃないでしょうかね。
まぁ、WARPのレーベルの音楽は、4つ打ちのフロア向けの音楽は少なくて、オウテカのようなエレクトロニカが、元からメインだったんですけどね。
そして、2001年発表のコンフィールドになってくると、エレクトロニカが世間に浸透していた時期で、前衛的な印象が薄くなっていますね。
でも、作品自体のクオリティは高いし、代表作と言っても良いんじゃないでしょうかね。
オウテカも、ブログに記した作品以外の大体は、レンタルやネットで聴いていますが、WARPの中では、4番目に好きなアーティストになりますね。

今更、コンフィールドのライナーノーツを読み返してみると、”政府の許可のない反復のビートによる音楽のパーティ”を法的に禁じた法律クリミナル・ジャスティス・オーダー・アクトを、オウテカは率先して揶揄していたらしい。
そして、野田努は、オウテカは”慣らされてしまったことへの服従”に抵抗する、とライナーに書いてますね。
只、私の所感としては、野田努もエレキングも、そして社会全体も、”慣らされてしまったことへの服従”になっていると思いますね。

(2025/11/14)