ピンク・フロイド、まとめて、アルバムをレビュー

MORE / PINK FLOYD


モアイ・・・、じゃなくて、「MORE」ですね。(モアイ(moai)とは、南太平洋、イースター島にある巨大な石像。先住民が祖先の像を刻んだものと考えられ、数百体が現存。)
私は、「MORE」を東海村立図書館から借りて、リッピングして聴いていますね。
「MORE」は、シド・バレッドが脱退した後の新生ピンク・フロイドのアルバムで、バーベット・シュローダーの監督デビュー作の映画、「モア」のサントラ盤となっていますね。
バーベット・シュローダーは、ジャン=リュック・ゴダールの助監督を務めた後、映画監督として独立していますね。
セックスとドラッグをカウンター・カルチャーの象徴として描いた映画「モア」は、カンヌ映画祭で酷評された為、カルト作品として語られるようになっていますね。
とは言え、「MORE」は、英国で、アルバム・チャート9位まで上がっていて、ピンク・フロイドの人気の高さを印象付ける結果になりましたね。

Wish You Were Here / PINK FLOYD


「Wish You Were Here」は、サウンドは文句無しに良いけれど、それだけでなく、邦題の「炎~あなたがここにいてほしい」と、ヒプノシスの膨大に金が掛かった独特のジャケット、等も印象的なアルバムなんだよねぇ。
そういう事もあって、私のブログのプログレシッヴ・ロック部門のランキングでは、「Wish You Were Here」を1位にしていますね。
まぁ、「Wish You Were Here」は、独特の音の質感と雰囲気を感じますねぇ。
そうした成果が出た一因として、ピンク・フロイドは「狂気」の制作が終わった後、楽器を一切使わない実験アルバムを制作しようとしていて、独特の音の質感や雰囲気は、その実験の残骸が影響してると考えられますねぇ。
そして、アルバムの帯にも記してあるけれど、壮大なピンク・フロイドの中で最も人間的で、純粋なメロディにあふれた傑作アルバムであり、何かこうね、心に深く沁み入る感覚があるんだよねぇ。
特に、「Shine On You Crazy Diamond」、「Wish You Were Here」のデイヴィッド・ギルモアのギター・プレイがエモーショナルで、心が動かされますね。
面白いエピソードとして、収録曲「Have a Cigar」の歌詞の一節、「which one's Pink?(ピンクさんはどっちなの?)」は、レコード会社の重役が実際に口にした台詞で、ロジャー・ウォーターズは、87年に、この言葉でTシャツを作っていますね。
そういえば、以前、ダウンタウンの松本が、「私がダウンで、相方がタウンだ」と言っていた事があるけれど、松本は、ピンク・フロイドを聴いてネタを思い付いたのかもしれませんねぇ。
或いは、ダウンタウン松本は、レコード会社の重役に頼まれて、ピンク・フロイドのネタを言わされていたのかもしれませんねぇ。

The Wall / PINK FLOYD


ウォール街・・・、じゃなくて、「The Wall」ですね。(ウォール街(Wall Street)とは、ニューヨーク街路の名。また、そこにある金融市場の通称。)
「The Wall」は、アルバムを所持していますが、二枚組3780円は、今、思うと安くは無いんだよなぁ・・・。要は、大して聴いてない、という事なんだけどね。
とは言え、シングル「Another Brick In The Wall-PartⅡ」は、全英1位/全米1位になっているし、アルバム「The Wall」は、全英3位/全米1位になっているんだよね。
「The Wall」のコンセプトは、アルバムの帯に依ると、「誰もが持つ疎外感、人々の間に存在する見えない壁」がテーマになっている、との事ですね。
「The Wall」では、コンサートに熱狂するファンを皮肉ったり、戦死した父や教育熱心な母、学校で強制される社会への順応など、ウォーターズの経験したトラウマが次々と描かれていますね。
そして、それは、社会に於ける孤独感や断絶、苦悩など、人々にとって普遍的なテーマでもあるんだよね。

「The Wall」の曲の中で、社会的メッセージ性のある着目すべき歌詞を以下、抜粋。
-「まず きみの症状を知りたい 基本的な事実だけでいい どこが痛むのか教えてくれたまえ」
「幼かった僕も大人になり 夢も消えてしまいました 今の僕には 麻痺した状態がとても心地良いのです」-(「Comfortably Numb」)
-「広大な空間に繰り広げられる混乱の中で ぬくぬくとスリルを味わうためにね」「あそこにいる野郎はユダヤ人だし あっちの野郎は汚らしい黒んぼだ」
「もし 僕の思い通りに出来るんなら おまえら一人残らず射ち殺してやる!」-(「In The Flesh」)
「滅茶苦茶に走って走りまくれ いつものお気に入りの仮面をつけて すっかり変装してしまうのだ」
「空々しい作り笑いと 満たされた事の無い飢えた心」「罪の意識の中から やるせない憤りがこみあげてくる」
「一日中 そして 一晩中 何も考えずにひたすら走り続けるのだ」「やましい思いなど 心の奥深くしまいこんでおけ」-(「RUN LIKE HELL」)
「この囚人は、堅く禁じられているはずの感情、つまり、ほとんど人間の本能に近いといえる感情を表したところを現行犯で捕えられたのでございます。」-(「THE TRIAL」)

The Division Bell / PINK FLOYD

「The Division Bell(対/Tsui)」は、水戸コンピュータ専門学校に通っていた頃、「BURRN!」誌で高評価だった為、つい購入する結果になったんだよね。
「The Division Bell」は、1994年発売で、英米を含む13ヶ国でチャート1位を獲得、1200万枚を売り上げたモンスターアルバムとなっていますね。
アルバムのテーマは、「コミュニケーションの欠如による対立」であり、原題の「ディヴィジョン・ベル=分割する鐘」は、イギリス下院議会で決議の際に鳴らされる鐘の呼称ですね。
因みに、CDの帯には、「全人類に対する警鐘!? ベルリンの壁崩壊後、ピンク・フロイドが初めて世に問うものは何か?」と記されていますね。
現代社会に於ける人間(個人)の疎外感、不安、パラノイア等、ピンク・フロイドの重要なテーマは、このアルバムでも踏襲されており、社会の動き/流れ、人間の営みについても、特に「A GREAT DAY FOR FREEDOM」といった曲で顕著に描写されていますね。
I(私)は、自分自身に問いかけながら、自分自身が正常なコニュニケーションを取ろうとしていて、本当の自分を捜している。
自分を見つめる事が大切であり、一人一人の小さな関係の連鎖が社会となり、世界となる。
「KEEP TALKING」では、人間が言葉で表現する事を、「WEARING THE INSIDE OUT」では、コミュニケーションの大切さを伝えようとしていますね。
このアルバムは、全体的にポジティブなメッセージが込められていて、社会に対して勇気を持って向き合う為に自己を見つめる事と、そして、他人とのコミュニケーションなど、基本的に、人との調和がテーマになっていますね。
アルバムの音楽性としては、ジョン・カーリンが、70年代に使用したシンセ・サウンドを蘇らせるプログラミングを担当していて、全編を包み込むパッド系音色の独自性を、このアルバムでは、生み出していますね。
又、ギルモアのギターも異彩を放っていて、ブルーズの進化形と言える「What Do You Want From Me」でのカウンター・プレイや、「Marooned」で示したワーミー・ペダルの斬新な使用法は、他のアルバムでは見られない新たな試みですね。
まぁ、アルバム全体を通して、トラックが完璧に計算されていて、音の質感も独特の浮遊感があって、わりと気に入ってるアルバムになっていますね。

「The Division Bell」の曲の中で、社会的メッセージ性のある着目すべき歌詞を以下、抜粋。
-「部室の様子を確かめながら お前は今夜 椅子に座り 灯りを落とす」「俺はお前が求めてる人間じゃない 一体俺から何が欲しいんだ」-(「WHAT DO YOU WANT FROM ME」)
-「なぜ 僕たちは君に話したんだろう あの頃、君はいつも人気者だった」-(「POLES APART」)
-「今のままである必要などない 我々に必要なのは ただ話し続ける事だ」-(「KEEP TALKING」)
-「数の多さが安全を意味する訳ではないし 正しき者は扉の外に歩いて出て行くのだから」-(「LOST FOR WORDS」)

The Madcap Laughs / SYD BARRETT
死闘、バレッタ・・・、じゃなくて、シド・バレットですね。(バレッタとは、地中海南部の島国、マルタの首都。シチリア島の南方約100キロ、マルタ島北東岸の小湾に臨む港町。)
シド・バレットの「The Madcap Laughs 幽玄の世界(帽子が笑う・・・ 不気味に)」は、レンタルして、リッピングして聴いていますね。
1968年、シド・バレットがピンク・フロイドから脱退し、ソロのデモ録音が開始され、69年には、ソフト・マシーンのメンバー(ロバート・ワイアット、ヒュー・ホッパー、マイク・ラトリッジ)が、セッションに加わる事になります。
そして、シドは、デイヴィッド・ギルモアやロジャー・ウォーターズにアルバム制作のサポートを依頼して、アルバムを完成させる事になる訳ですね。
アルバムは、ピンク・フロイド時代と違い、シドの肩の力が抜けまくったボーカルが特徴的で、ピックの握りが甘いフワフワしたギターの音も印象的ですね。

(2026/3/24)