レンタル落ちDVDで100円で購入、安いっしょ~。
「天井桟敷の人々」は、20代前半の頃、一度、観ているのですが、まぁ、内容は忘れているんだよねぇ、そらそうよ。
面倒なので、映画の粗筋は、以下、DVDのジャケットの裏面から引用・・・。
1840年代のパリ・犯罪大通り。ヌードが売り物の女芸人ガランスは、雑踏の中でスリに間違われたところを、パントマイム芸人のバチストに救われる。
バチストは魅力あふれるガランスに一目惚れする。だが内気な彼にはその想いを告げることはできない。ガランスに言い寄る男は多い。
役者のルメートル、無頼漢ラスネールも彼女に恋していた。やがてガランスはバチストのいる一座に雇われ、その美貌により人気を博す。
評判は社交界にも及び、モントレー伯爵の求愛を受けた彼女は、ラスネールの悪事によりその愛人にならざるを得なくなる・・・。
5年後、バチストは座長の娘ナタリーと結婚し、一子をもうけていた。
そこへ、モントレー伯爵と外国で暮らしていたガランスが帰ってくる。再会を果たした2人だが・・・。
粗筋の引用は、以上ですなぁ。

「天井桟敷の人々」が製作されたのは、1944年で、フランス映画界の巨匠マルセル・カルネ監督が、ドイツ軍占領下の圧迫に耐え、三年三ヶ月という製作日数を費やして完成させたんだよね。
まぁ、映画史に燦然と輝く金字塔、とあって、エンターテイメント性と芸術性が両立されており、映像も舞台セットも大掛かりで素晴しく、三時間という長さを感じさせない作品でした。
十九世紀、フランス・パリの街、ブールヴァル・デュ・タンブルは、天井桟敷まで芝居小屋が立ち並ぶ喧噪した歓楽街であり、多くの犯罪者が集まる”犯罪大通り”と呼ばれる街でもあったんだよね。
そして、主役であるバチストの一座は、労働者階級向けの無言演劇を行う一座であり、値段の安い天井桟敷では、一般市民がヤジを飛ばしながら演劇を観ている、という構図になっているんだよな。
バチストの仕事の哲学としては、貧しい市井の人々に、自分のパントマイムの演劇によって、笑いや涙といった感動を届けたい、という事であって、著名な人々に認められたい、という虚栄心は、少ないタイプなんだよね。
女芸人ガランスは、冤罪になるのを救われた恩義だけでなく、バチストの道化師的な人間性に惹かれていたんだよなぁ、ルメートルもラスネールもモントレー伯爵も、自己中心的で虚栄心が強いタイプだからねぇ。
ガランス自身も不幸な生い立ちを背負いながらも、常に笑顔で居るような陰影に富む人間性ですが、パリを舞台にした絢爛な雰囲気が、映画を暗くさせないベクトルに向かわせているんだよなぁ、邦画には無い感性だと思うんだよね。
バチストは、ガランスに恋い焦がれている訳ですが、座長の娘ナタリーは、一途にバチストを想い続けている訳で、そして、ガランスもモントレー伯爵の愛人になる事を余儀なくされる訳で、切ない恋愛の関係性が、心に沁み渡りますねぇ。
余談ですが、上記の恋愛関係の話以外で、印象に残る事と言えば、決闘のシーンであり、「戦争と平和」でも出て来るシーンで、十九世紀の時代までの風習だと思ったのですが・・・。
最近、国内で決闘の犯罪事件のニュースが実際にあって、決闘罪という犯罪まであるのを知り、西川きよしのように瞠目しましたねぇ、何でそんな事をせなあかんのん・・・。
最後に、所感として、「天井桟敷の人々」が、私の好きな映画かと言うと、そうでもなく、最近は、通向けの芸術的なフランス映画より、明快な娯楽大作のアメリカ映画の方が好きになっている、というね。
(2026/1/8)