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UNIT STRUCTURES / CECIL TAYLOR
サブカルチャー音楽
疑問が沸き上がるレベルの3段階
1.それがどの程度の大きさの疑問かという事
2.パターンや可能性に関するレベル(内容や質、そして変化がそこに加わって疑問の方向性が定められる)
3.与えられた素材に直感がどう反応するか
ハーモニーやメロディがサウンドストラクチャーを構成し、音楽を飛翔させる。
楽器はそれぞれが戦略に値するものなのだ。外形や規則的でも不規則的でもいいから。
(2010~2014年頃、執筆)
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YANKEE HOTEL FOXTROT / WILCO
WILCOの代表作で、ノンサッチレーベルから出された作品。
因みにリアルタイムでは聴いてなくて、最近聴きました。(その頃は仕事が忙しすぎて、せいぜいジャズとメジャーな洋楽しか聴いてなかった。)
それで、オルタナ・カントリーの括りがいまいち分からなくて、同じノンサッチレーベルのビル・フリーゼルのカントリー/ブルーグラス路線はどう括られるんですか?
しかも、このWilcoの作品、MediaPlayerみたいなのではカントリーのジャンルに区分けにされるみたいで、流石にそれは無いのでは(笑
アパラチア民族の精神性とか感じられない。しかし、ウィルコの最大の魅力は極上のメロディ。
最初に曲ありきで、その曲が持つ世界観に最適な音を足し引きしながら見つけ出すのを楽しんでいる。
で、ノンサッチレーベルは、「ジャンルを超えて良質の音楽を届ける事」をポリシーとしているらしく、WILCOがこのレーベルを選んだ理由はジャンルに拘らずプロジェクトに没頭したいという事。なかなか優良なレーベルですね。
感想を言えば、BECKとグラスゴーのギターポップを合わさったような感じでポップセンスは良い。
ミキサーはジム・オルーク。
バンドリーダーであるジェフ・トゥイーディーは、車の中でドライブしながら作曲しているとの事。
90年代は、トム・ヨークやベックなどが無力感や絶望を提示してきたけれど、WILCOは「世界の見え方を変える」という形で音楽を制作していく姿勢が少しオプティミズムで良いですね。
(2010~2014年頃、執筆)
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The Nuyorican Funk Experience
今回は、威勢のいいNYサルサとラテンソウルのファンキーでディープなコンピレーションアルバム。
ニューヨリカンとは主にニューヨークで生まれ育ったプエルトリカンの事を指す。
現在活躍中のDJチームのマスターズ・アット・ワークや歌手のマーク・アンソニーは新世代のニューヨリカン・アーティストの代表。
彼等はラティーノとしてのアイデンティティーとして、また北米人としての二つのアイデンティティーを持ち、NYに暮らす他の移民たちと共に暮らしてきた。
云わば生活自体がクロスオーバーしており、アフロ・アメリカン、イタリアン、キューバン、ドミニカン、ジャマイカンなどの文化のせめぎ合いながら育っていったのかがNYのラテン音楽。
今回の選曲は、DJジョーン・アームストロング氏によるもので60年代から70年代のニューヨークにおけるピュアなラテン・ダンス・ミュージックとソウル・ファンクやブルースとの融合に焦点を当て、どれもがストリートの匂いのするレアなグルーヴになっている。
最近のポップ・ミュージック的なサルサには無いザラザラとして手触りと緊張感が伝わってくる。
Track by Track
1.Seguida / "Funky Felix"
2.Sabu Martinez / "Flamenco Ain't Bad"
3.Ray Barretto / "New York Soul"
4.Mongo Santamaria / "What You Don't Know"
5.Ricardo Ray / "Nitty Gritty"
6.Andy Harlow / "Batumbique"
7.Benitez & Nebula / "Vida Nocturna"
8.Frankie Dante / "My Daddy's Farm"
9.Fania All Stars / "There You Go"
10.Joe Bataan / "Coco-E"
11.Monguito Santamaria / "Martinez"
12.Johnny Colon / "Merecumbe"
13.Willie Colon / "8th Avenue"
14.The Lebron Brothers / "Got Myself Together"
15.Eddie Palmieri / "V.P.Blues"
1曲目は、P-FUNK並みの凄いテンションで攻めてくるラテン・ソウル/ロック集団のセギーダの「Funky Felix」。
2曲目は、パーカッショニスト、サブー・マルティネスのアフロ・キューバン・ジャズ。伝統的なキューバ音楽がベース。
3曲目は、「ミスター・ハード・ハンズ」こと、コンガ奏者レイ・バレットのご機嫌なブーガルー。
4曲目は、コンガ奏者、モンゴ・サンタマリアのクロスオーバー感溢れるファンキーグルーヴ。
これを聴くと「ファンク」というアメリカで命名されたグルーヴは、もっと前から存在し、アフリカからキューバにも伝わった根源的なフィーリングなんだと実感出来る。
まぁ、トーキングドラムなどは政治的な理由で1940年頃まで禁止されていたので南部のデルタブルース等にはリズムが無く、そこから新しい音楽が産み出されていった背景もあるんですけどね。
5曲目は、これもまた良い。イギリスのソウル・クラブシーンの定番の曲。
6曲目は、サックス/フルート奏者のアンディー・ハーロウ。キューバ系のリズム、ワワンコーからブラジルのリズム、バトゥカーダへと融合。
7曲目は、哀愁ギターの響くイースト・コースト的なラテンロック。
8曲目は、モザンビーケのリズムとそれに被さるトロンボーンのクライマックスが素晴らしい。
9曲目は、ファニア・オールスターズで70年代ラテン・フュージョンの名曲。
10曲目は、ジョー・バターン。アフロ・カリビアンリズム(メレンゲ、カリプソ、カデンス、コンパ)の影響が強い。
11曲目は、モンギート・サンタマリアのヘビーなインスト・ラテン・グルーブ。モード・ジャズ的なエレピ・サウンドが最高。
12曲目は、当時ヨーロッパのラテン・ディスコ・シーンで強く支持された強力なスウィング感溢れるナンバー。
13曲目は、ウィリー・コロン。ミュージカルのサントラからのインスト曲で隠れた名演。
14曲目は、レブロン・ブラザーズのラテン・ファンク・チューン。70年代のコモドアーズのファンク・グルーブを想起。
15曲目は、エディー・パルミエリ。強力ライブ盤から圧倒的テンションの「V.P.Blues」。
と、全曲解説は少し大変でしたが、全体的には、サルサよりラテン・ファンク、ラテン・ソウル、ラテン・ジャズが中心となっている。
ラテン音楽のある部分はとても規則が厳格だがサウンドには柔軟性がある。
それは、リズムを受け持つ何人ものミュージシャンの演奏から来るのですが、リズムがシンクロしていない為、流動感のある動きが生まれるんですね。
そんな混合された弾力的なリズムの中毒性に魅力を感じるラテン・フリークの方にはお勧めの一枚。
(2010~2014年頃、執筆)
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AFRICA BRAZIL / JORGE BEN
先日、久しぶりに映画「黒いオルフェ」を鑑賞していたのですが、サンバにおけるリズム感あるステップを見ていると、ブラジル人が如何にサッカーのテクニックに優れているのかが理解出来ます。
という事で、元サッカー選手のジョルジ・ベンで、アフリカ・ブラジル。
記事のタイミング的にワールドカップとマッチングさせてみた次第。
まぁ、何でも十代の後半には、ジーコやロマーリオの他数多くのスター・プレイヤーの排出するリオのプロ・サッカー・チームの「フラメンゴ」の二軍に所属していたとか。
低所得者が80パーセント以上を占めるブラジルでは、成功への踏み台はサッカーしか無く、途中でミュージシャンの道へ飛び込む事になるが、今もサッカーへの熱が衰えていないよう。
そんな彼の作った音楽はやはり非常に情熱的でありまする。
ロック、ファンク、レゲエ、サンバやアフリカを混ぜこねた強烈なリズムな、筋金入りのストリート・ミュージック。
単純明快でありながら複雑で力強いソース。この明快と難解さが混ぜ合わさった大衆芸術音楽は、ポスト・ボサノヴァと言われていたようで。
それで「アフリカ・ブラジル」の名前の由来なんですが、彼の母親はエチオピア系でベンという姓はエチオピア系で、本質への回帰。
アフリカ人の血が流れる大多数のアフリカ系の子孫たちの混血進化や文化的融合がテーマなんだけど、それだけでは収まらない獣のようなエロスを感じさせます。
やはり一番良く聴く曲は大ヒットした「タジ・マハール」。
ファンクやロックのリズムのリフに乗ってサンバのリズム楽器であるクイーカやアピートが縦横無尽に駆け回る。
鋭角的なビートにサンバ楽器を取り入れる事によって亜熱帯的な独特の個性となる。
圧倒的な闘争本能を持つジョルジ・ベンはブラジル最強のダンス・ミュージックである。
(2010~2014年頃、執筆)
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カエターノ・ベローソ/リブロ
ブラジルは歴史が浅く、ヨーロッパ人がアメリカ大陸に進出した事で生まれた国。
入植者であるポルトガルは没落し、ポルトガル語を喋るブラジル人は世界の中で優遇されない言語圏に居る。
ラテン・アメリカの中で最も大きいのに孤独な国。その国で生まれたポピュラーミュージック。
しかし、音楽構造が弱いにも関わらず音楽的な表現力が高い。カエターノの詩は生と死が表裏一体となっている。
ガルシア・ロシカに影響を受けてるとか。リーブロ(書物)は匂い立つような成熟な香りと若々しさが一体となっている。
1曲目はカエターノ流「黒いオルフェ」。
(2010~2014年頃、執筆)
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YO LA TENGO / 「ELECTR-O-PURA」
僕は夜、車の運転にブラックミュージックやハウス、JAZZを掛けてる事が多いけれど、ヨラテンゴも夜の運転にマッチするんだな。
特に片田舎の街や田園の風景に(笑
1995年発表のこのやや懐かしいアルバムもサイケデリック・ノイズのオブスキュア加減が収束されていてゆるゆるでもう最高。
このアルバム収録時間長いけど、小粒ながら完成度が高く通しで聴きやすいのが良いね。
そしてキラーチューン、「BLUE LINE SWINGER」で「曖昧さとダイレクトさ」といったヨラテンゴらしさを如実に表現。
アマチュアっぽい興奮をいつまでも持ち続けるヨラテンゴ。
世界の姿を注意深く覗き込み、少し力を加え確実に色を変化させ「I Got it」を続けていくのだ。
-「アマチュアっぽい興奮を持ち続けるのが目標なんだ 例え、いくらうまくなってもね」-
アルバムを出す度にキャリア最高傑作と言われ成長を続けていくヨラテンゴ。
長いキャリアを経ても変わらないヨラテンゴ独特のゆるゆるなサウンド感は、亜米利加のインディが確立されていている恩恵が大きい。
緩やかなサウンドなのに退屈する事も無く、通しで聴いても長い収録時間の割に時間の経過が早い。
(2010~2014年頃、執筆)
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